この問題は、昨年末「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録される中で、さすがに何とかすべきとの声が高まり、今年から農林水産省の「日本料理海外普及人材育成事業」というプログラムで、外国人の和食修業が認められることになった。ただ、「修得期間2年以内」「1事業所2人以内」などの要件のもとであくまで特例的な措置だ。

 和食の問題は限定的ながら解決されつつあるが、他分野にも同じような問題がある。前述の法務省令では在留資格の前提として、料理以外の分野でも「外国に特有の建築」や「外国に特有の製品」などに関わる技能が求められているからである。

 在留資格が認められない分野の一例をあげれば、世界で人気を集める日本のアニメ・マンガだ。日本のアニメ・マンガ専門学校には外国からの留学生も少なからず集まるが、卒業後に日本でその技能を活かした仕事に就くことは認められない。「外国に特有の建築」などの技能にあたらないからだ。

 我が国のカルチャーに関心と親しみを持つ「日本ファン」の外国人は、日本の国力にとって重要な人材のはずだ。そうした候補となる外国の若者たちを、在留資格の制約で母国に追い返したり、専門分野以外での就職(例えば通訳など)を強いたりしているのは、もったいないことではないか。  

※SAPIO2014年5月号

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