名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
連覇を狙う巨人が開幕ダッシュを決め損ね、“大混セ”の様相を呈している。直接対決では阪神に大きく後れを取り、主力の計算違いも多い。そうしたなか江本孟紀氏、中畑清氏、達川光男氏による本誌『週刊ポスト』名物企画ENT座談会を開催。巨人はいったい何が問題なのか。【全3回の第1回】
達川:巨人は主力を続々二軍落ちさせましたね。
中畑:打率1割台だった坂本(勇人)は(4月15日に一軍登録抹消したのは)大正解だったよ。あのまま一軍に残していたら、かばい合う空気になって本人も周囲も苦しかった。早めに落としたのはチームのためにもいい。オレは監督時代にできなかったが、そこは(阿部)慎之助の素晴らしいところだと思う。
江本:マー君(田中将大)は評価するほうがおかしくて、二軍で当然。どう見てもスピード不足だよ。
達川:楽して投げすぎですよね。駒大苫小牧の頃みたいに真っすぐをガンガン投げないといかん。
中畑:苫小牧まで戻らないといけないの(笑)!?
江本:楽天時代は遊んでいたわけだからね。
達川:メジャーの中4日でかわす癖がついたけど、今は中13日なんだからもっとしっかり投げないと。4月3日に初勝利した中日戦はインコースに直球を投げていて、コントロールは悪くないんです。
江本:いやぁ、あの試合で勝てたのはマー君の球が遅すぎたから。遅すぎてバッターのタイミングが合わなかっただけ。球が遅い先発はヤクルトの石川(雅規)だけでいいよ。
中畑:戸郷(翔征)も球がきていないよな。
江本:一軍復帰登板の阪神戦(5月5日)もピリッとせず3失点。タメがないんですよ。焦って投げるからテンポが一定になる。ランナーがいても“バッターを打ち取ればいいんだろ”と同じリズムで投げて抑えたのが江夏豊。それを真似るには10年早い。しかも手投げで、バッターは対処しやすいよ。
中畑:慎之助は癖が盗まれていると言ってたけど。
江本:癖じゃなくて調子が悪いだけ。その戸郷や坂本は一軍に戻したが、マー君に丸も故障。二軍の年俸が10億円を超えていたけど、巨人はカネがあるからいいのかね。
中畑:焦りはないと思うね。慎之助は「今は5割でいい」と言っていた。