独立・起業せずに、ずっと会社に勤めることを「保守化」と呼ぶなら、それは新入社員だけの問題ではありません。例えば、独立行政法人労働政策研究・研修機構が2012年に発表した「第6回勤労生活に関する調査」によると、終身雇用を望む割合は過去最高の87.5%でした。全世代において、高い傾向です。
年功賃金的な給与体系を望む声も、別に保守化ではないでしょう。すぐに活躍できるわけではないということを知っていたとしたら、これは現実的だと言えます。給与体系は、年功賃金的か、成果対応型かと簡単に分けられるものでもありませんし。
これは入社したばかりの頃の意識調査です。彼らがその後、そんな選択をするかどうかはわかりません。海外赴任しろと言われたら、飛んでいくでしょうし。ひょっとすると起業するかもしれませんし。まあ、起業したところで、秒速で破産したりしますし、リスクだらけですからね。
若者が保守化するのはけしからん、チャレンジしないのはけしからんというトーンで報道されるわけですが、上の世代は、チャレンジしているのでしょうか? どうなんでしょうかね。何でも若者に過度に期待して面白がるのもどうかと思います。
若者はすぐに起業など考えず、その職場で働くと言っているわけで。彼らの熱意をまず受けとめることこそ必要なのではないでしょうか。
というわけで、私は、この結果の何が悪いのかと問いかけたいわけであります。