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【ドル円週間見通し】新成長戦略で「安倍トレード」が再開か

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、6月23日~6月27日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、ウクライナ情勢やイラク情勢に警戒しつつ、日米のインフレ率、黒田東彦日銀総裁の講演、安倍政権の新成長戦略の内容を見極める展開となる。ウクライナでの停戦協議が決裂した場合やイラクが内戦に陥った場合は、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。米国の1-3月期国内総生産(GDP)確報値のネガティブ・サプライズ、5月のインフレ率のポジティブ・サプライズにも警戒することになる。

【新成長戦略】
 安倍政権の新成長戦略では、法人実効税率の引き下げ、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額が予想されており、予想通りならば、安倍トレード(日本株買い・円売り)が再開する可能性が高まることになる。

【地政学的リスク】
 イラクでは、アルカイダ系の武装組織「イラク・シリア・イスラム国」とマリキ・イラク政権との間で内戦が勃発する可能性が高まりつつある。イラクが内戦に陥った場合、原油価格が上昇することで、原発稼動停止で原油輸入の依存度が高い日本経済にはマイナス要因、貿易赤字の拡大により円安要因となる。

 ポロシェンコ・ウクライナ政権と親露武装勢力との停戦協議にも関わらず、武力衝突が激化しつつあり、ウクライナ東部での紛争が激化した場合、リスク回避の円買い圧力が強まることになる。

【米国1-3月期国内総生産(GDP)確報値】(25日)
 米国1-3月期のGDP確報値は、前期比年率-1.8%程度まで下方修正されることが予想されている。1-3月期の景況感の低迷は悪天候によるもので、4-6月期は、景気回復が予想されているものの、ドル・円は、上げ渋る展開が予想される。

【米国5月のインフレ率】(26日)
 米国連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している5月のコア個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+1.6%と予想されており、4月の前年比+1.4%から上昇し、インフレ目標の+2.0%への接近が見込まれている。イエレンFRB議長は、FOMC後の記者会見で、インフレに対して「noisy」と言及しており、イラク情勢の緊迫化を受けて原油価格が高騰していることで、インフレリスクに警戒する展開となる。

【日本の5月のインフレ率】(27日)
 日本の5月のコア消費者物価指数は、前年比+3.4%と予想されており、4月の消費増税の影響を受けた+3.2%からの上昇が見込まれている。日本銀行は、消費増税の影響を+1.7%と試算していることで、4月のインフレ率は+1.5%、5月は+1.7%となり、黒田日銀総裁の発言「量的・質的金融緩和は、所期の効果をあげている」を裏付けることになる。また、23日に予定されている黒田日銀総裁の講演にも注目することになる。

 6月23日-27日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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