芸能

平幹二朗 階段を駆け降りる荒っぽい演技にも美しさ求める

 多くの映画やドラマで人気を博した平幹二朗の役者デビューは、俳優座の舞台だった。それから半世紀以上、いまも舞台に立ち続ける平が考える役者としての表現について語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる連載『役者は言葉でてきている』からお届けする。

 * * *
 平幹二朗は1976年、蜷川幸雄演出の舞台『卒塔婆小町』に出演している。そしてそこから十年以上に亘り、両者は数々の芝居を築き上げてきた。

「浅利慶太さんの芝居では、主役は少なくともまずは堂々と立っているように言われていました。でも、それだけだと物足りなくなってしまうんです。ぐちゃぐちゃにして転げ回りたいって。そういう欲求が自分の中に出た頃、蜷川さんと出会いました。

 浅利さんも劇団四季でミュージカルに力を注がれていた頃で。ただ、僕は歌の基礎がないですから。勉強した俳優がどんどん出てきたら彼らに負けると思い、ミュージカルには出ないことにしたんです。

 その頃、蜷川さんも自分の劇団を辞めて東宝で『リア王』や『オイディプス』といった良い芝居を作ってらっしゃった時期で。ちょうどそんな時、僕が主演するテレビドラマ『はぐれ刑事』で蜷川さんが犯人役で出ていて、『蜷川さんの芝居に出してよ』ってプロポーズしました。

 蜷川さんは三島由紀夫さんの追悼公演で『卒塔婆小町』という現代能楽の作品を国立劇場でやることになっていて、そこで九十九歳のお婆さんの役をやりました。それがとても評判がよくて、そこから一緒にやろうという作品が増えていきました。

 僕としては、俳優座で新劇の芝居を、浅利さんからは言葉の伝え方を、と基礎を鍛えられた後で、一生懸命やれば何でも許してくれる蜷川さんといろんな作品をやれたことは、幸せだと思っています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

公務に邁進されている(6月、東京・港区)
佳子さま「公務に積極的」になられた背景に「皇籍離脱」「結婚」か
女性セブン
亜希
亜希 陰から見守る元夫・清原和博と息子達との「父子鷹」
NEWSポストセブン
披露宴での志摩ノ海と元関脇・逆鉾の長女・清香さん(時事通信フォト)
故・逆鉾の長女が結婚で後継者確定も名門・井筒部屋再興への“高いハードル”
週刊ポスト
SNSでの発信力も大きい新庄ビッグボス(時事通信フォト)
新庄ビッグボスのインスタ投稿が波紋 「ファンとそれ以外の分断を煽る」の指摘も
NEWSポストセブン
クルマ、ギター、アート、スケートボードにもこだわる
長瀬智也、英国のバイク誌に登場 悠々自適な暮らしに「所ジョージ化している」の声
女性セブン
小室圭さんと眞子さん
小室圭さん妻・眞子さんがNYで行きつけのスーパーから見えてきた“妻の気遣い”「日本でいえば『成城石井』」 
NEWSポストセブン
京都の街を歩く舞妓のイメージ(写真/イメージマート)
元舞妓の〈16歳飲酒〉〈お風呂入り〉告発に、花街関係者も衝撃「未成年飲酒には厳しく対応しているはず」
NEWSポストセブン
不祥事を理由に落選したはずなのに、比例で復活されては…(左は塚田一郎氏、右は中川郁子氏/写真=共同通信社)
「不倫路チュー」「USBは穴に…」失言・不祥事で落選しても比例復活するゾンビ議員たち
週刊ポスト
注目を集めるNHK吉岡真央アナ
「ポスト和久田麻由子アナ」候補のNHK吉岡真央アナ 替え歌ダンスで“キャラの強さ”際立つ
週刊ポスト
前田敦子と篠田麻里子の女子会姿をキャッチ
前田敦子、篠田麻里子と六本木で4時間半女子会 元夫・勝地涼との関係は良好に
女性セブン
謎めいたバッグを持つ広末涼子
広末涼子、“破壊力強すぎ”コーデは健在「背中に蜘蛛」私服に続き目撃された「謎バッグ」
NEWSポストセブン
結婚し、日本メディアが情報をキャッチしづらいNYで、デイリーメールが追跡取材(写真/JMPA)
小室圭さん・眞子さん夫婦が「離婚で終わったとしても…」英デイリー・メールが報じた「茨の道」
NEWSポストセブン