国内

無修正動画サイトに包囲網 サーバー海外設置でも刑法適用可

 FC2やXVIDEOSなど無料・無修正の動画共有サイトは、誰でもネットで接続できる手軽さから多数のアクセスを獲得している。だが、こうした無修正動画サイトにじわじわと包囲網が迫りつつある。

「無修正DVDの販売は摘発されても、ネット上の無修正動画は事実上野放しにされている。そんな状況を警察当局も強く憂慮しています」(全国紙記者)

 警察当局が全国屈指のエースを投入して無修正動画の取り締まりに乗り出したとの情報もある。

「京都府警の腕利きサイバー犯罪担当者が警察庁にこの4月から出向したのです。今後、全国的な規模でネット上での違法行為の摘発が始まるのではないでしょうか」(同前)

 7月1日、FC2で性行為の生中継を行なって逮捕された梅林邦充容疑者(35歳・ハンドルネーム「二郎」)は1年半で1億円稼いだと豪語していたが、彼の摘発に先立って、京都府警は6月3日に「帽子君」こと松本隆志容疑者(30歳)を公然猥褻罪で逮捕している。

 二郎同様に人気だった帽子君は月収500万円もの荒稼ぎをしていたが、性行為の生中継中にマンションに踏み込まれて共演女性と共に御用となった。インターネットに詳しい高木篤夫弁護士が語る。

「2つの事件は、インターネットでの猥褻動画の取り締まりに通常適用されている猥褻物陳列罪ではなく、公然猥褻罪が適用されました。ライブ配信が不特定多数に対しての公然性が高いという判断のようですが、稀なケースです」

 2人が利用していたFC2でも、日本の法律から逃れられないという。

「無修正動画の視聴自体は違法ではありません。しかし、ネットでダウンロードした無修正動画を、他の人が見られるように動画サイトにアップロードしてしまうと違法行為になってしまうのです。

 サーバーが海外にあれば刑法の適用が難しいという議論がありますが、日本国内で、日本人向けに行なわれていることが明白であれば適用は可能です」(同前)

 FC2は公然猥褻罪や猥褻物陳列罪だけではなく、著作権法違反の見地からも追い詰められている。SODクリエイトやCA、桃太郎など有名AVメーカー7社が、著作権を所有するAV作品を無断で公開したとして、FC2に対して6500万円の損害賠償を求める訴えを起こしているのだ。

「アメリカに本社があるサイトとはいえ、日本向けにサービスを行なっている実態は明らか。これ以上、知的財産の無断使用を放置するわけにはいかない」(提訴した7社が加盟するNPO法人知的財産振興協会)

 これまではサーバーが海外にあるというだけで責任を逃れてきた無修正動画サイトだが、この裁判の行方次第で、その存続が危うくなるのは間違いない。

※週刊ポスト2014年7月25日・8月1日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン