桜や楓など和のモチーフ装飾が美しい包丁も、外国人へのギフトに喜ばれそう
「包丁を売っているだけでは、良い包丁を見極めることは難しい。本当に良い包丁は砥石に当てた時に、鋼の硬さや仕上げ、ムラのなさなどが、はっきりわかります。
研ぎの技術で難しいのは、常に100%の仕上げが正解じゃない――使い方は人によって、千差万別なところです。例えば、硬いものを切ることが多い人には、刃を欠かせてしまわないように、研ぎ具合を加減する。繊細な料理を手掛ける人には、100%というように、使い手に合わせた仕上げをするのが重要。研ぎの依頼の場合は、出された時の包丁を見れば、普段その人がどう使っているか? どれくらいの仕上げが最適なのか? というのがわかりますからね。そうした使い手の求める“切れ味”を見抜く力も、職人の技のひとつです」(鎌田さん)
“道具を見れば人がわかる”というのは、職人技の高さを感じさせる言葉のひとつ。日本らしい装飾や名入れに加えて、違いのわかる人には、繊細な技術も伝わる――国境や文化を越えて強く支持されるのは、そうした技や心意気の部分なのかもしれない。