ビジネス

飲み食べ放題のビアガーデン はたして料金の元はとれるか?

 夏の風物詩のひとつであるビアガーデン。とりたてて疑問を持たずに、提示されるセット料金をそのまま払うことが多いが、果たしてそれはお得なのか。ジャーナリストの鵜飼克郎氏が、ビアガーデン攻略法を報告する。

 * * *
「近年の猛暑によるビアガーデン人気と女子会ブームが重なり女性客が急増しています。店側も儲かるため期間を拡大し、4月から秋口の10月まで半年以上営業している店もあるほどです」

 そう話すのは、ビアガーデン評論家で「東京ビアガーデン制覇クラブ」主宰の樫原叔子さん。このクラブでは、ビアガーデンを「屋外で80席以上あり、年間90日間以上営業している店舗」と定義。現在、都内には3年前の倍となる60か所のビアガーデンが乱立し、その多くが女性をターゲットにしているという。

「3年ほど前、都内のデパート屋上に美味しい料理を売りにしたビアガーデンが登場し、女性客で連日大入り満員となりました。この影響でどの店も女性を意識するようになった。枝豆やから揚げをつまみながらビールを煽る“オヤジビアガーデン”は激減し、ドリンクを数多く揃え、イタリアンやデザートまでも提供するビアガーデンが珍しくなくなったのです」(樫原さん)

 都内のビアガーデンは飲み放題・食べ放題(2時間)で4500~6000円が一般的。5年前と比べて2000円近く値上がりしている。

「数年前までビアガーデンは2500~3000円で飲み放題・食べ放題の店が多かった。財布の中身を気にせずビールが飲めましたが、食べ放題メニューが豊富になって料金も上がってしまった」(50代の会社員)

 では、ビアガーデンではどれぐらい飲んで食べれば元が取れるのだろうか。まず、生ビールについて飲食店関係者に聞いた。

「業務用15リットル9000円のビア樽なら中ジョッキ(430ミリリットル換算)で35杯、大ジョッキ(840ミリリットル換算)なら18杯分とれる。1杯あたりの原価は中ジョッキが約260円となるので、ビールだけで元を取ろうとすれば20杯近く飲まなければならない。チューハイやソフトドリンクの原価はさらに安く、生ビールの10分の1程度になる」

 2時間という制限時間を考えると、かなり厳しい数字だ。

 また、料理についてもこんな話が聞けた。

「ビアガーデンは雨が降ると中止となり、暑いと予想以上の客が来るので客足が読みづらい。そのため自然と冷凍食品が多くなる。定番メニューの原価は、鶏のから揚げが5個で40~50円程度。枝豆は冷凍ものなら1皿50円程度だ。

ホテルのビアガーデンは宴会場やレストランと連携しているので比較的、高価な食材を使った料理が多いが、それでも5000円分を食べるのはほぼ不可能。食べ放題のビアガーデンでは、フルーツやデザート類の原価が最も高い」(ビアガーデン関係者)

※SAPIO2014年9月号

トピックス

麻薬取締法違反容疑で家宅捜査を受けた米倉涼子
「8月が終わる…」米倉涼子が家宅捜索後に公式SNSで限定公開していたファンへの“ラストメッセージ”《FC会員が証言》
NEWSポストセブン
巨人を引退した長野久義、妻でテレビ朝日アナウンサーの下平さやか(左・時事通信フォト)
《結婚10年目に引退》巨人・長野久義、12歳年上妻のテレ朝・下平さやかアナが明かしていた夫への“不満” 「写真を断られて」
NEWSポストセブン
人気格闘技イベント「Breaking Down」に出場した格闘家のキム・ジェフン容疑者(35)が関税法違反などの疑いで逮捕、送検されていた(本人SNSより)
《3.5キロの“金メダル”密輸》全身タトゥーの巨漢…“元ヤクザ格闘家”キムジェフン容疑者の意外な素顔、犯行2か月前には〈娘のために一生懸命生きないと〉投稿も
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
バスツアーを完遂したイボニー・ブルー(インスタグラムより)
《新入生をターゲットに…》「60人くらいと寝た」金髪美人インフルエンサー(26)、イギリスの大学めぐるバスツアーの海外進出に意欲
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【ハワイ別荘・泥沼訴訟に新展開】「大谷翔平があんたを訴えるぞ!と脅しを…」原告女性が「代理人・バレロ氏の横暴」を主張、「真美子さんと愛娘の存在」で変化か
NEWSポストセブン
小林夢果、川崎春花、阿部未悠
トリプルボギー不倫騒動のシード権争いに明暗 シーズン終盤で阿部未悠のみが圏内、川崎春花と小林夢果に残された希望は“一発逆転優勝”
週刊ポスト
ハワイ島の高級住宅開発を巡る訴訟で提訴された大谷翔平(時事通信フォト)
《テレビをつけたら大谷翔平》年間150億円…高騰し続ける大谷のCMスポンサー料、国内外で狙われる「真美子さんCM出演」の現実度
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の公判が神戸地裁で開かれた(右・時事通信)
「弟の死体で引きつけて…」祖母・母・弟をクロスボウで撃ち殺した野津英滉被告(28)、母親の遺体をリビングに引きずった「残忍すぎる理由」【公判詳報】
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン