調理時間のPOPごとに魚が並ぶ


 予想以上の反響に驚かされたのは、多色展開したトレーへの反響だ。黒しかなかった食品トレーをピンクや黄色、オレンジ、ブルーなど7色で展開したところ、想定を大きく上回る数字を記録した。カラフルなトレーには、味つけ済みの魚介類が野菜とともに彩よく盛りつけられ、電子レンジで3分加熱するだけでレモンソテーやバジルソテー、黒胡椒焼などの一品が出来上がる。切身や刺身を好みの色のトレーにおさめることもできる。

「7色用意したトレーによる売上は一年で5千万円程度と予想して導入したのですが、今期は3億円まで伸びる見込みです。トレーの中身は以前にもあったものですが、いまの生活スタイルにフィットする色を選べることでお客様が手に取りやすくなりました。調理時間だけでなく、配色も生活の中で有効活用しやすいものが好まれていると感じます。魚を売るだけではなく、魚を食べる生活を提案しながら商品を提供することが望まれているのです」(前出・織茂さん)

 既婚・未婚を問わず20~30代の働く女性に自分で作りたい料理をたずねたところ、もっとも人気を集めたのは「魚料理」(33%)で次が「煮込み料理」(25%)だった(旭化成ホームプロダクツ調べ)。どちらも、実際に作るには苦手としているものだ。料理をする時間が限られ、調理スキルが高くない彼女たちが望み通りに魚料理を作り食べたい気持ちと合う製品の提供がなく空白となっている部分をカバーしたのが、東信水産が好調を続ける理由だろう。

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