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オヤジ系絶滅危機の一方で女子会急増 ビアガーデン最新事情

絶滅の危機にあるオヤジ系ビアガーデン

 冷夏とみられた今年の夏は、予想外の酷暑となった。うだるような暑さに、仕事後に冷たいビールで一杯やりたくなる。最近また人気が高まっているビアガーデンは、今年は景気の上向きも手伝って、昨年に増して大人気の傾向。ここ数年で変化が見られるビアガーデンと最新のビール事情について、ビアガーデン評論家の樫原叔子さんに聞いた。

「最近のビアガーデン第一次ブームがあったのは4年ほど前」と樫原さん。当時は、ビアガーデンといえば“ビールと枝豆”のイメージ。女性がビアガーデンに行くのは珍しかったが、この2~3年の間に女性が増え、7~8割が女性客という店もあるという。

「今、若い男性は会社帰りに連れ立ってお酒を飲みに行かないですし、女子会ブームにともなってビアガーデンにいく女性が増えました。ビアガーデンの特徴はふたつあって、開放感とレジャー感です。普通の居酒屋よりもはじけられることから、ビアガーデンに女子がどんどん増えていき、フレンチ、イタリアンといった女子向けメニューをそろえるおしゃれなビアガーデンが増えています。逆にオヤジ向けビアガーデンが絶滅の危機にあります」(樫原さん、以下「」同)

 最近は船上ビアガーデンや水族館ビアガーデンなど、ちょっと変わったビアガーデンが増えている。ビールをそれほど飲まない女性や、定番ビアガーデンに行き慣れた人のために店も新しい趣向をこらしている。とはいえ、「人気は変わり種よりは高級なところです」と樫原さん。

「神宮の森のビアガーデンは、キャンプには行きたくないけど、みんなでわいわいBBQしたいという人に人気です。すごく盛り上がれますし、安いし、肉が食べ放題なので個人的には毎年行く定番です。ただ、最近は学生が大勢で騒ぎすぎているのをよく見かけるのが残念です。ビアガーデンは社会人のストレス発散の場。大人のたしなみをもって使ってほしいですね」

 高級なところでは、六本木のグランドハイアット東京のテラスビアガーデンが人気のほか、樫原さんが今年いちばんオススメと言うのは、新宿ヒルトン東京の“おひとりさまビアガーデン”だという。ビアガーデンは、予約をとるのが年々難しくなっており、神宮外苑の森のビアガーデンや明治記念館のビアテラス鶺鴒、銀座ニュートーキョー屋上などの有名店は常に満席。

「ニュートーキョーの屋上は、東京で最古のビアガーデンですが、オリンピックの影響もあるのか、今年で取り壊されてしまうんです。以前は、松坂屋の上にビールつぎの名人がいるオヤジ系ビアガーデンがありましたが、ビルの建て替えでなくなってしまったんです。今銀座で残っているのは、松屋の上にある完全な女性向けビアガーデン。だから都内のオヤジビアガーデンは絶滅の危機。残っているのは京王百貨店の屋上と、如水会館のビアガーデンぐらいですね」

 また、全国各地には、それぞれ地方色を活かしたビアガーデンもあるという。

「祇園に舞妓さんと飲む舞妓ビアガーデンがあったり、大阪ではたこ焼きや串揚げビアガーデンがあります。名古屋も盛り上がっていて、全ブランドのビールが一度に飲めたり、AKB48みたいな“ビアガーデンアイドル”がいるんですよ。AKB48みたいなチームが歌を歌って、お客さんもサイリウムを持って応援しているんです。地元ではビアガーデンアイドルとして認知されていますね」

 また、一部で“ビアガーデンナンパ”が婚活の一助にもなっているという。

「セルフ式ビアガーデンはビールを自分でつぎにいったり、順番待ちで人に会うチャンスがある。それに、開放感があって女性に声をかけやすいと聞きました。いわゆる普通のサラリーマンも来ていますから、出会いの場としてはチャンスはありますよね」

 一般のビールの消費量はここ10年で年々下がっている一方、よりおいしいビールを望む人が増え、地ビールやクラフトビールの人気は上昇している。プレミアムビールや地ビールが飲めるビアガーデンもでき、本当のビール好きは、売り場でもお店でも銘柄で選ぶという。

 昔ながらのスタイルを楽しむもよし、ビールの味にこだわるのもよし。高級感を堪能したり、エンタメ性を追求したり…。今や楽しみ方も選び方も自由自在のビアガーデン。9月まで続くといわれるこの夏の酷暑。まだまだビールがおいしい季節は続きそうだ。

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