--あ、それはそうですね……野宿してみて、発見とかありますか。
いけだ:やっぱり人の優しさですねえ。初めてセンバツで野宿したとき、、夜がすごく寒かったんです。そしたら隣のおじさんが、「兄ちゃん、こういう日は球場に身体をくっつけて寝るんや。そしたら昼間の試合の熱気がまだ残ってるから暖かいんや」と教えてくれたんです。
--ほう……エエ話ですねえ……暖かかったですか。
いけだ:そんなもん普通のコンクリートなんで、冷たいに決まってるじゃないですか。
--いや自分がなんか「エエ話」っぽく言うから……いけださんは高校時代は何をしていたんですか。
いけだ:野球部でした。
--えっ、ポジションは?
いけだ:「ブルペン捕手が後ろにそらした球を拾う」というポジションです。
--それは貴重なポジションですね。でも高校時代に野球をしていて、どうして09年まで、見ることにハマらなかったんですか。
いけだ:野球部を2年の途中で辞めたんですよ。それで逆にすっかり野球が嫌いになって、テレビでみることすら拒否していました。
--それが今や野宿してまで観戦するように。
いけだ:うん……辞めたんですけれど、どこか自分の心の中に、辞めた後悔がずっとあったんですよ。これは野球を途中で辞めた奴ならみんな持ってると思います。だからも自分が辞めなくて、下手でも全然甲子園に出られなくても、3夏まで野球やってたならなあ、と思うんです。ここに来る奴って、甲子園に出るのはもちろんスゴイけど、3夏まで野球やってる奴らじゃないですか?そういう選手たちを応援したいんですよ。
--なるほど! 今日は貴重なお話、ありがとうございました。
いけだ:いやあの、まだネタやってないんですけれど……
いけだてつや(プロフィール)
プロダクション人力舎所属。熊本県出身。春夏の甲子園はもちろん、地方大会から練習試合まで観戦する「高校野球大好き芸人」としてテレビ、トークショーでも活躍。毎月1日から6日まで開催されるお笑いライブ「バカ爆走!」に出演中。