東京商工リサーチによると、全国の主要地ビールメーカーの2013年1月から8月までの出荷量は前年同期14.6%の増加で、地ビールメーカーの8割超が「ブームを感じる」と回答している(2013年9月調査)。こうした市場の高まりを受けて先月、キリンはクラフトビール事業への本格参入を発表。大きな話題を呼んだ。
とはいえ日本では、クラフトビールのシェアはいまだビール消費量全体の1%にも満たないといわれている。だが佐藤氏は、今後には大いに期待が持てると太鼓判を押す。
「職人の仕事が再評価されているのはクラフトビールに限ったことではなく、たとえば日本酒でも、コーヒーでも、製造業などにも起きている大きな流れです。顔の見える職人が作った一杯を味わいたいという人は確実に増えていくと考えられます。
さらに、クラフトビールブームは世界の潮流でもあるんですね。アメリカの西海岸や、ワインの本場であるフランスでも、クラフトビール熱は高まっています。将来的には国産クラフトビールの輸出にも期待が持てるのではないでしょうか」
日本のブルワリー(醸造所)は今や200以上といわれる。残暑のおともに、酒飲みは自分好みのビールを見つけるのもいいかもしれない。