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2014.09.04 07:00  週刊ポスト

滝田栄 三國連太郎の壮絶役作りを聞き芝居への意識が変わる

 役者歴40年に及ぶ俳優・滝田栄が、自身が駆け出しの劇団俳優だったころについて語った。映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづる週刊ポスト連載『役者は言葉でてきている』からお届けする。

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 滝田栄が俳優になったキッカケは、大学時代に観た映画『アラビアのロレンス』だった。これにいたく感動したという話を同級生にしたところ、「君は俳優になるべきだ。タイプは文学座だと思う」と諭される。その言葉に誘われるまま文学座養成所を受験し、合格したのだった。

「右も左も分からない状態で始めたんですが、僕以外はみんなプロでも通用するような人たちでした。その中に三國連太郎さんの付き人をしていた同級生がいたのですが、彼が見かねて『うちへ来て、芝居の練習をしてみないか』と言ってくれまして。それで三國さんの留守を見計らってはいろいろと教わりました。

『三國さんはどういう芝居をするのか』と彼に聞いたら、『よく行方不明になる。この間も《老人を演じるのに老人が分からない》と急に現場からいなくなって、何日かして帰ってきたら《できた》と言って、歯が一本も無くなっていたんだ』と。その話を聞いて、芝居って凄い世界だと思いました。それまでは芝居を甘く見ていたのだと思う。三國さんの本気の役作りを聞いて、モチベーションが変わった。

 それで養成所の一年目が終わった時に、僕は一番出来が悪かったのに残っちゃったんです。その時、戌井市郎さんという文学座を代表する演出家に『君は芝居が上手いから通ったんじゃない。十年後二十年後が楽しみなんだ。だから十年後を見据えて勉強しなさい。今からテレビや映画に出てチャラチャラするな。大きな人間を演じられる俳優になってほしい。ついては、人間について、よく学びなさい』と言われ、ハングリーな世界に入っていきました」

 その後、滝田は1973年に劇団四季へ入団。『ジーザス・クライスト=スーパースター』のユダ役で人気を博するようになる。

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