ビジネス

錦織圭の大躍進 「日清食品の世界戦略にも効果絶大」と識者

錦織の活躍同様、カップ麺で世界制覇を狙う日清食品

 テニス全米オープンで日本人初となる決勝戦(日本時間9日早朝)に挑む錦織圭選手(24)。

 日本中が歓喜に包まれ、その経済効果は「数億円規模に及ぶ」(経済アナリスト)との見方も出る中、早くもスポンサー企業は“錦織特需”に沸いている。

 国内の独占放映権を持つWOWOWには錦織見たさの新規加入申し込みが後を絶たず、試合のウエアを提供するユニクロでは8月下旬に販売した「錦織モデル」のポロシャツが完売。その他、ウィルソンのラケット、タグ・ホイヤーのスポーツウォッチなど、錦織関連のレプリカ商品はいずれも品薄状態になっている。

 だが、もっとも錦織の宣伝効果に期待を寄せるのは、2012年に「3年契約で3億円+出来高払い(推定約5億円)」というビッグな個人所属契約を結んだ日清食品だ。

 今大会でも錦織が着替えのシャツやタオルを入れていた非売品のエコバッグが「ひよこちゃんの絵柄(チキンラーメンのキャラクター)がかわいい!」と話題に。日清食品は殺到する問い合わせ電話の対応に追われたという。

「日清は創業者(安藤百福氏)の<食とスポーツは健康を支える両輪である>という理念のもと、オリンピックのオフィシャルスポンサーになったり、陸上部の所有、プロゴルファー池田勇太、服部真夕選手との所属契約、最近ではサッカーのマンチェスター・ユナイテッドとスポンサー契約を結んだりと、国内外問わず様々なスポーツ活動のサポートに熱心。

 錦織とは2008年よりウエアに『カップヌードル』のパッチ広告をつけるスポンサー契約を結び、2012年の所属契約後に安藤宏基社長(現・日清食品ホールディングスCEO)が、『ロンドン五輪で金メダルを獲ったら特別報奨金に加え、“K(圭)ヌードル”をつくる』と公言するなど、社を挙げて支援してきた」(スポーツ紙記者)

 ロンドン五輪は惜しくもベスト8止まりだったが、その後の錦織の活躍と全米オープンの快挙を考えたら、決勝の勝敗にかかわらず、報奨金の授与や新たなオリジナル即席麺の発売(錦織監修ラーメンは2012年に第一弾を発売済み)に十分値するだろう。

 世界の頂点をうかがう錦織の活躍は、日清食品の知名度を世界に知らしめる絶好の商機といえる。経済誌『月刊BOSS』編集長の関慎夫氏が語る。

「日清食品は主力のカップヌードルを世界80か国以上で販売し、累計販売数は330億食を超えるなど即席麺の業界では敵なしと思われがちですが、意外にも海外の売り上げ比率は2割しかありません。

 いま、中国やインドネシアなど東南アジアを中心に即席麺の生産ラインを増強し、2025年度までに海外比率を5割にもっていく目標を掲げています。世界の市場を次々と開拓したいという同社のグローバル戦略にとって、世界中に広がる錦織の広告宣伝効果は絶大でしょう」

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン