ビジネス

ベネッセ個人情報漏洩 500円の金券補償で収束させられるか

情報漏洩の原因は「企業風土に起因する甘さにあった」と原田氏

 ベネッセコーポレーションによる個人情報の大量流出は、このまま収束に向かうのか。

 当初、2300万件と発表されていた漏洩件数は、同社が名寄せを行った結果、約3504万件、約4800万人(実態の推計は約2895万件、約4000万人)に膨れ上がり、氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が名簿事業者に売却されていたことが判明した。

「根本的な問題は、自社の情報セキュリティに関する過信、経営層を含むITリテラシーの不足、性善説にたった監査、監視体制の運用、などの企業風土に起因する甘さにあると判断しました」

 9月10日、社内調査と事故調査委員会から出された中間報告を発表したベネッセホールディングス(HD)会長兼社長の原田泳幸氏は、さすがに疲労の色が隠せない様子だった。

 今回、被害者への“慰謝料”として500円の金券を用意すると発表した原田氏だが、「金銭的謝罪は考えていない」と発言した7月の会見から一転、補償する方針に変えた理由をしつこく記者から問われると、

「情報が二転三転したとは思っていない。まずは事実確認をすべきとの経営姿勢を取っただけで、決して事の重大さに気付いて考えが変わったわけではない」と険しい表情で苛立つ場面も。

 同社は2014年4~6月期決算で、顧客への補償に200億円、その他、お詫び文書の発想やセキュリティ対策費用として計260億円に及ぶ特別損失を計上している。原田氏は「これからかかる投資は経営を揺るがすほどの金額ではない」と説明し、本格的な事業の再開と巻き返しに意欲を見せた。

 だが、本当にこれ以上の流出拡散は起こらないのだろうか。フォーサイト総合法律事務所のパートナー弁護士、深町周輔氏に聞いた。

「そもそも漏洩した件数が莫大ですし、今は直接的な被害を受けていなくても、名簿が転々と流通して二次被害、三次被害で精神的な苦痛を訴える人が出てくれば損害額も膨らんでくる可能性はあります」

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン