ビジネス

ベネッセ個人情報漏洩 500円の金券補償で収束させられるか

 ベネッセは名簿を利用した可能性の高い事業者35社に対し、個人情報の削除を通達してほとんどの会社から了承を得たと説明したが、枝葉のごとく広がってしまった情報を完全に食い止めることは難しいはず。

「漏洩件数は今日現在の最大値。これ以上、爆発的に数字が膨らむことはないと考えている。ただ、もし今日現在で予見できないことが起こった場合は、当然、企業責任において対応するしかない」

 と、被害拡大の“止血”に限界も匂わせる原田氏。仮に、同社が一貫して否定しているクレジットカード情報の流出が1件でも確認されれば、同社の再建はさらに遠のくことになるだろう。

「今後、ベネッセはデータベースの保守・運用業務の外部委託をやめ、すべての情報管理・監督を自社内で厳格に行うなどの方針を発表しました。組織、技術、人材(教育)は個人情報の管理で重要な要素であり、再発防止策としてはマニュアルに則った対応といえます。

 しかし、何をやろうが一度失った信用は容易には回復できません。時間をかけてじっくりと地道な努力を重ねていくしかないでしょう」(前出・深町弁護士)

 マクドナルドから華々しい転身を遂げたばかりで躓いた原田氏。いち早く事件にケリをつけて“プロ経営者”の面目躍如といきたいところだろうが、まずは足元を固めない限りマックで成し遂げたV字回復の成長路線はいつまでも描けないはずだ。

●撮影/山崎力夫

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