高齢化社会の到来とともに、要介護のリスクが高まると最近話題のロコモティブシンドローム(運動器症候群)。略してロコモと呼ばれるこの状態は、人間だけでなく犬にもあらわれる。犬のしつけ教室・Can! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、犬のロコモについて解説する。
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ロコモ。くちこも、じゃないですよ、ろこも。
初めて耳にしたときにゃ、カモンカモン・ドゥザロコモーション、ってつい口ずさんじゃいましたけどね。あれのことじゃない。
最近よく耳にするロコモは、ロコモティブ症候群(和名は運動器症候群)。骨とか関節とか軟骨とか椎間板とかの運動器が衰えて、要介護になるリスクが高まる状態のことをいうらしい。
人間だれしも、ピンコロでこの世とおさらばしたい。その願いをかなえるには、このロコモ予防ってのが大切、ってなことになる。なるほどって、ここで気になるのが、犬のロコモ。
現在の犬の平均寿命は十四歳超、人間の年齢に換算すると七十数歳ほどに。歩行を補助するためのハーネスをはじめ、犬の介護用品は今やたくさん売られてる。動物病院の中には、ロコモ予防を大きく謳ってるところもある。
ロコモは確実にあるってことですよ、犬にも。今は亡き私めのパートナーの1匹は、変形性脊椎症っちゅう病気に晩年なりましてね。病気がわかる前、時々動きが鈍くなってた。思えば、あれ、ロコモ。
よろよろと今にも倒れそうな感じで散歩している、そんな高齢犬を見ることも多い。あれもロコモ。
ロコモ予防には、人間はスクワット運動がいいなんていわれてるけど、あるんですよ犬にも、スクワット。犬のは、オスワリ→4つ足立ち→オスワリ、を繰り返す。下半身の運動器の衰えが防げる。
他には……って、またまた誌面が尽きてきちゃった。続きを聞きたい方は9/28の日曜、ホテルニューオータニまで来てくださいな。
日本臨床獣医学フォーラムで、高齢犬をテーマにした講演をいたしますんでね(※HP参照 http://www.jbvp.org/forum/index.html)。
なんだ宣伝かよって、まぁそういわずに、続きは28日に……ね。
※週刊ポスト2014年10月3日号