番組では、栄村が現役中のみならず、引退後も吉村をケガさせたことに対する自責の念にかられていた様子が描かれた。そして、きちんと謝罪できなかったことをずっと悔いていた栄村が、吉村へ手紙を執筆。「許してください」という最後の一文に、これまで彼が背負ってきたものの重さがにじみ出ていた。
「現役引退後、栄村には、かなりの取材依頼が舞い込んでいました。『あのプロ野球選手は今』のような特集で必ず名前が挙がりますからね。でも、栄村はほぼすべて断っていました。引退後も、トラウマは決して消えることがなかったわけです。でも今回、テレビを通じて、吉村に手紙を渡せたことで、いくらか楽になったのではないでしょうか。
逆に言えば、今回の番組がなければ、栄村は一生、この思いをひきずっていたはず。会いたくても会いづらい2人を引き寄せる。テレビには、素晴らしい役割があると再認識しました」(同前)