「40才すぎから“太って痩せにくくなる”のは老化のせい。体内機能の低下が原因です。若さを保つためにも、日頃の運動量を増やして筋肉を鍛え、代謝の高い体にすることが大事なんです」
横浜クリニック 院長・青木晃さんはこう語る。
買い物は宅配、仕事はデスクワーク、移動は車やバス、階段は避ける。自転車は電動自転車…。40代に入り、「しんどい」動作を避けて、日常生活での運動量が激減してはいないだろうか。
「基礎代謝(生命の維持に最低限必要なエネルギー)の曲がり角は30才。40才を過ぎて更年期を迎えると皮下脂肪がつき代謝は下がる一方です。女性には脂肪のつきやすい時期が、思春期、出産期、更年期と3度ありますが、運動量が減少する更年期についた脂肪はなかなか落ちません」(青木さん・以下「」内同)
若々しい体の維持には、運動と代謝アップが不可欠。そのためには、生活に運動習慣を定着させることが大切だ。
たとえば、白髪、シミやしわ、老眼、閉経といった変化には誰もが老化を実感する。しかし、目には見えないが、筋肉、関節、骨、内臓も加齢とともに老いていく。
「運動するためには筋肉や関節をしっかり動かす必要がありますが、その機能が低下したままいきなり運動するのは危険です。急に運動を始める→ひざの故障→動けないから太る→関節に負担がかかる→より運動ができない体にという悪循環に陥る可能性もあります」
青木さんが下地作りとして提唱しているのが、ラジオ体操と歩くことだ。
「少なくとも1か月程度は続けてほしいですね。ラジオ体操はインストラクターと同じように動くことがポイントですが、これができない。腕が上がらない。腰を回せない。前屈できない。愕然とするかもしれません。しかし、続ければ筋肉もついて関節もスムーズに動くようになります。それから歩行量を増やすこと。最初は現状の歩数を認識して2割ずつ歩数を増やしていくと良いでしょう。最終的には1日1万歩を継続しましょう」
その後は、ストレッチやヨガ、ピラティス、太極拳などゆっくり体を動かしながら体幹を鍛えられる運動へシフトしよう。楽しみながらできるフラダンスやラテンダンスのように趣味性が高いものや、全身の血流がよくなる加圧トレーニングもおすすめだ。
※女性セブン2014年11月28日号