人間の体において重要なのが寝ている時の姿勢。自分の体にあった枕を使わないと、血液やリンパ液の循環が悪くなり、手足が冷えやすくなることもあるという。
まず気をつけるべきは、枕の高さ。山田朱織枕研究所代表の山田朱織さんに、理想の枕の高さの目安を教えてもらった。
「仰向けに寝たとき、首の角度が床に対して約15度前後になる高さが理想。横向きになったときは、体の中心軸が床と平行になります。両手を胸のところでクロスさせ、左右に体を動かし、スムーズに寝返りが打てればOK。枕のちょうどいい高さは人によって約5mm単位で違ってくる。枕はネットやカタログだけ見て買わず、寝具店へ行って楽に寝返りが打てるかどうかを必ず確認してください」
そして、理想の高さを維持するためには定期的なメンテナンスが欠かせない。快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんが解説する。
「枕は使っていくうちに変形していく消耗品。定期的な買い替えが必要です。例えば、ポリエステルの綿やそばがらはつぶれやすく、寿命は1~2年。パイプや低反発ウレタンは比較的長持ちするものもありますが、それでも5~6年程度です。さらに、枕の寿命だけでなく、体重の変動や加齢とともに変化する体形に合わせて枕の高さを調節する必要があります。高齢になればなるほど人は背中が曲がっていくので、枕も高くしていく必要があります」
快適に使うためには日々の手入れがものをいう。
「素材によって水洗いの可否、天日干しの可否があるので、必ず表示を見て確認してください。水洗いできるものは半年から1年に1度ぐらいのペースで洗いましょう。生乾きだと雑菌が増え、アレルギーの原因になるので、完全に乾ききるまで晴れた日に2~3日は干してください」(三橋さん)
水洗い不可のものは干すか軽くたたいてほこりを落とすといい。
「ただし、枕カバーは皮脂汚れが雑菌の原因になるので、毎週1回の洗濯を心がけるようにしましょう」(三橋さん)
枕を変えれば冬の睡眠が劇的に変わる。さっそくトライしてみよう。
※女性セブン2014年12月18日号