パターン4:エントリーの段階で学校名、偏差値で絞っている上、学校別の枠があるパターン
エントリーの段階で絞りこんでいる上、さらに大学ごとの枠があるパターンです。この場合、結局はパターン2と同じで、ライバルは同じ大学の仲間たちということになります。
そもそも論で、2、3、4の場合、まずは企業に相手にしてもらえる大学に入るための競争というものが存在します。
実際は、1〜4のパターンは、どれかが選ばれるだけでなく、対象により使い分けられています。上位校の学生は4のパターンで採用し、そのためにリクルーターによるフォローや、インターンシップによる早期囲い込みを行いつつ、その他の大学は1のパターンで選抜するというわけです。
もちろん、学生にはこのカラクリは見えないのです。ただ、このように、頑張っても無駄なパターンがあることを理解しておきたいです。そして、パターン1は公平なようで競争の熾烈であることを意識しておきたいです。自由競争は、辛いのです。
長年、就活に関する書籍や記事を書いてきましたが、書籍の方はこの本でいったんお休みです。長年、就活ものを書いてきて気づいた、疲れずに納得の行く内定に至る鉄則は突き詰めると5つで「自分の大学の就活事情に詳しくなること」「大学をとことん利用すること」「社会人に会うこと」「多様な情報に接すること」「やると決めたらやり切ること」ですね。特に自分の大学の就職事情に詳しくなることというのは、今回の記事とつながる話です。
自分の大学はどの業界・企業に強いのか(弱いのか)。安定して内定者が出ている業界・企業はどこか。これを大学にある情報や、東洋経済新報社の四季報シリーズなどで調べてみるわけです。これで頑張っても無駄な競争を避けることができます。
もちろん、自分の大学からは採用可能性の低い企業を受けることは否定しません。ただ、その際は、それが過酷であることを認識しておきたいです。
このように、偽装された自由競争なのです、就活は。大人たちにとって、学生の皆さんをだますのは楽勝です。本当はどうなのか? こんなふうにちゃんと疑問を持つことを大事にしたいところです。