一方で、中国では2014年現在で軍事予算が4年連続2ケタ増を記録するなど、軍関連施設の建設需要が伸びていることから、これらの建設プロジェクトを企業に発注することが多く、この過程で、業者側が受注してもらうため、軍幹部に賄賂を渡しているという。このため、腐敗事件の件数もうなぎ登りで、国際情報紙「環球時報」など中国の主要各紙は「昨年1年間で16人の人民解放軍の高級幹部が汚職などの容疑で軍の規律検査部門の調査を受けた」と伝えている。
軍の規律検査部門によると、対象者は昨年夏に党籍を剥奪された徐才厚・前中央軍事委員会副主席(上将)をはじめ、中将4人、少将10人、上級大佐1人が含まれる。「1年間でこれほどの軍高級幹部が失脚したのは、1966年に始まった文化大革命以来約50年ぶり」と伝えられるほど、軍内では腐敗が蔓延していることになる。
このため、習氏もつい口を滑らせて「給料を生活の糧にせよ」と発言したものと考えられるが、ネット上では「われわれ庶民は公務員のように、給料も高くなく、軍のように、灰色収入や違法収入がない。習主席は腐敗一掃を唱えるのもよいが、我々庶民の給料を上げ、生活レベルを向上させる政策を真っ先に実行すべきだ」との切実な書き込みが寄せられている。