準備が面倒だったり、かけてもかけてもしわがとれなかったり、時間も手間もかかって、とかく面倒なアイロンがけ。とはいっても、ワイシャツはパリッとしていたいもの。
「家庭でアイロンをかけるのとクリーニングとでは、異なる仕上がりが楽しめる」と話すのは、店頭に並ぶ前の洋服のアイロンプレスや検品を行う『ヤマサワプレス』代表の“アイロン男爵”こと山澤亮治さん。
「昨今、クリーニング店の多くでは、マシンを使ってプレスするため、くっきりと折り目がつき、平面的な仕上がりになります。一方、家庭でアイロンをかける場合は、肩や袖などにあえて折り目をつけず、ふんわりと立体的に仕上げるのがコツ。そうすると、着たときの体のラインを美しく見せることができるのです。体のラインにフィットするので着心地もよく、見た目にも柔らかい印象を与えます」(以下、「」内は山澤さん)
なるほど、手仕事には機械でできないワザが宿るというもの。まずは4つの新常識を読んで、実践にトライ!
新常識その1は、「アイロンは立ってかける!」
「立ってアイロンをかけると、かけ終わった部分をアイロン台から垂らせるので、しわやヨレができることがありません。座ってかけると、せっかくかけ終わった部分が床についてしまい、しわになってしまいます」
新常識その2は、「アイロン前に手でしわを伸ばす!」
「面倒に思うかもしれませんが、先に手でざっと服のしわを伸ばしておくだけで、その後のアイロンがけの時間が大幅に短縮されて、仕上がりに違いが出ます」
新常識その3は、「表示マークは見なくてよし!」
「実は家庭用のアイロンは、かけられる温度の幅がさほど大きくありません。かけるときは、すべて“中温”で大丈夫。高温に設定したほうが、早くしわが伸びそうな気がしますが、生地が傷んで溶けてきたり、色あせすることも。また、温度が低すぎると、スチームを出す時にポタポタと水が垂れて、放っておくとしみの原因になります。高温でかける素材は麻だけと覚えておいて」
新常識その4は、「スチーム量はMAXで!」
「スチームの量を選べる機種なら“高”に設定を。生地にスチームで水分をたっぷり与え、しみ込ませることで、生地を柔らかくし、しわが伸びやすくなります」
※女性セブン2015年2月5日号