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【ドル円週間見通し】ギリシャと国際支援団の交渉行方に注目

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月9日~2月13日のドル・円相場の見通しを解説する。

 * * *
 今週のドル・円は、ギリシャ反緊縮政権と国際支援団との交渉、G-7財務相・中央銀行総裁会議、欧州連合(EU)首脳会議などを見極める展開となる。2月末のギリシャ金融支援プログラムの期限に向けて、ギリシャ反緊縮政権による緊縮措置の緩和、債務減免交渉が決裂した場合、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、ギリシャのユーロ離脱への懸念が高まることになる。

 また、2月15日前後は、米国債の利払い・償還を受けた本邦機関投資家のリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)、そして、3月末決算に向けたヘッジファンド解約45日前告知ルールによる円・キャリートレードの手仕舞い(円買い要因)に警戒することになる。

 しかしながら、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による外貨建て資産への投資増額(23%⇒40%)への期待は大きく、ドル・円の下値は限定的だと予想される。

【G-20財務相・中央銀行総裁会議】(9-10日)
 G-20財務相・中央銀行総裁会議では、今年に入って、ユーロ圏、インド、オーストラリア、中国、カナダなど10カ国以上が金融緩和に踏み切ったことを受けた通貨安戦争、原油価格下落を受けたディスインフレ懸念への対応策などが協議されると予想されている。

 日本銀行と欧州中央銀行(ECB)は、輸入インフレを目指し、米国連邦準備理事会(FRB)とイングランド銀行(英中央銀行)は、ディスインフレを輸出しているという対立軸のせめぎ合いに要警戒か。ルー米財務長官は、日本銀行の量的緩和策を支持していることで、円安への牽制は議論されないと予想されている。

【米国債償還・利払い&ヘッジファンド解約45日前告知ルール】(13日頃)
 2月15日前後は米国債の償還、利払いを受けて、本邦機関投資家のリパトリによる円買い圧力が強まる。また、ヘッジファンドは、3月期末の解約45日前告知ルールで、円・キャリートレードの手仕舞いによる円買い圧力を強めることが予想されている。

【欧州連合(EU)首脳会議】(12-13日)
 欧州連合(EU)首脳会議では、2月末に期限を迎えるギリシャの救援プログラムに関して、ツィプラス・ギリシャ首相とEU首脳との協議を見極めることになる。ツィプラス・ギリシャ首相は、8日の議会演説で救済条件に反対する立場を堅持すると表明し、内閣信任投票の審判を受けることになっており、結果次第では、EU首脳会議での協議が難航する可能性が高まることになる。

 ギリシャ反緊縮政権とトロイカ(欧州連合・国際通貨基金・欧州中央銀行)との緊縮財政措置の緩和、債務減免などの交渉が決裂した場合、ギリシャがデフォルトに陥る可能性に警戒することになる。

 2月9日-13日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。

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