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2008年にサミットを開催した洞爺湖のホテル 昨年売却された

 2016年夏に日本で開かれることが決まっている首相国首脳会議(サミット)をめぐっては「利権争奪戦」が繰り広げられている。そのため、全国8都市が開催地決定を目指すべく、アピール合戦を展開中だ。

 サミットはG8やEU首脳とその随員の他、各国から3000人以上の記者団が派遣されることから、宿泊施設には「首脳用のスイートルーム26室以上、客室3500室以上」などの条件が求められ、警備面でも厳しい選考基準がある。
 
 しかし開催地は五輪招致のように投票で決まるものではなく、たとえ規準に満たない都市であっても、首相の一存が優先する。またサミット予算をどの都市に配分するかという差配権を握っているのも政府である。
 
 2008年の洞爺湖サミットでも安倍氏は決定1か月前に名乗りをあげたウィンザーホテルを会場に選んだ。同ホテルは安倍氏のブレーン人脈のセコムが経営していたため「安倍利権」と呼ばれたが、結果的に政権を投げ出してサミット議長役の機会を逃しただけに、来年への思い入れは非常に強い。首相側近はこう嘯いてみせる。
 
「決定権と差配権は党内の求心力を高める道具になる」
 
 そうした発想も公認権とモチ代・氷代の配分で党内を掌握するという自民党手法の亜流といえるが、裏返せば安倍首相が「求心力低下」に不安を抱いている証拠でもある。だが、サミット予算を拠出する納税者が、そうした政治的思惑に振り回されてはたまらない。
 
 2000年のサミットの舞台・沖縄も洞爺湖も「宴の後」は惨憺たる有様だ。
 
 沖縄では、首脳の宿泊に利用された10軒のホテルは厳戒態勢でサミット前後の1か月の客足は大幅ダウン。北海道も開催後の経済効果を約284億円と試算していたが、その後の道内経済は大幅に落ち込んだ。
 
「沖縄サミットの会場として造られた万国津梁館は赤字が続き、県は2006年に民間に運営を委託した。ザ・ウィンザーホテル洞爺も昨年売却されました。サミット会場に使われたほどの大規模施設だから維持費もかかる。サミット後の経営ビジョンなどなかったのです」(観光ジャーナリスト・千葉千枝子氏)
 
 サミット誘致でお祭り騒ぎをしている政治家たちは、目先の経済効果だけを求め、終われば野となれ山となれ。そしてバラ撒かれたカネの分だけ、国民はさらにツケを背負わされるのである。まさに亡国の自民党だ。

※週刊ポスト2015年3月6日号

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