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大学の学部のネーミング競争に拍車 謎のカタカナ学部が続出

 近年、少子化や大学進学率の上昇により、大学間の学生の奪い合いが激化し、「国際」「グローバル」「子ども」といった学部名をつけて独自性を打ち出す大学が増えている。学生に“未来”を感じさせる講座・コースの名は、かつては専門学校や私塾の専売特許だったが、大学がそこに参入して、ますますネーミング競争に拍車がかかっている。

 吉備国際大学の「アニメーション文化学部」、京都造形芸術大学の「キャラクターデザイン学科」、大阪樟蔭女子大学大学院の「化粧ファッション学専攻」などは、学生人気を狙いすぎには見えるが、教える中身がわかるだけいいほうだ。

 甲南大学には「フロンティアサイエンス学部」があるが、科学をサイエンスと言い換えるのはまだしも、フロンティアとは何だろうか。バイオテクノロジーとナノテクロノジーを融合させた新分野の研究を標榜しているが、誰もしたことのない新しい研究をするからこそ大学なのだから、言わずもがなに思える。「古い学問しかやってません」という大学はない。

 城西国際大学大学院の「国際アドミニストレーション研究科」もよくわからない。アドミニストレーションには統治、行政、管理などの意味があり、政治、行政、企業経営など幅広い分野でよく使われる言葉だ。

 同研究科のPRを見ても、カリキュラムには政策研究、国際研究、国際企業研究、観光研究、国際地域研究の5分野があり、それらをまたいで研究することもできるとされていて、一体何を学ぶのかわかりにくい。「国際的な専門と教養を持ち、グローバルに活躍できる人材を育成」するというが、いかんせん総花的な印象が強い。

 名古屋経営短期大学にはその名もずばり、「未来キャリア学科」がある。未来のキャリアが身につくのが大学の価値だとすれば直球勝負の学科名だ。医療事務やスポーツインストラクターなど幅広い職業に就くための教育を行なっているようで、これまでは専門学校が担っていた分野に大学が進出してきた結果、生まれた学科ともいえる。

※週刊ポスト2015年4月3日号

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