一見、同じようなしぐさでも、それが示す性格はまったく違うことがあると言うのは、心理学者の出口保行さん。たとえば口元に手をやるしぐさでも、口に触れているかどうかが大きな分かれ道になる。
「つねに口に触れているしぐさは口唇欲求といって、赤ちゃんがお母さんのおっぱいを吸った時に得る、安らぎを欲しているのです」(出口さん。以下「」同)
これは甘えん坊な性格の人。逆に口には触れず、ただ口元を隠して話すような人は、人目を気にするタイプだ。
目に関するしぐさでは、 他人と目を合わさずに話す人は、人目を気にするタイプ。「このタイプの人は自分に自信がないため、アイコンタクトをとるのが苦手。ですから、伏し目がちだったり、上を向いて話をするのです」
ただし目を合わさずに話す人でも、違う方向に目をやって話す人は、自己陶酔タイプ。
「自分の話に酔っているから、相手がいようがいまいが関係 なくなって、最初に見たポイントを見つめたまま自分の話をし続けるのです」
しぐさは人格を反映した動作だが、貧乏ゆすりやまばたきをたくさんするような動作はただの癖。そこに人格は反映されていないという。よって、人格が変わればその癖がなくなるということもない。
「癖は身体症状ですから、心理的何かに起因しているものでもない。確かに、イライラして貧乏ゆすりをする人はいるけれど、イライラしていなくても貧乏ゆすりをする人もいますよね」
しぐさと癖は別物であることを認識しておきたい。
※女性セブン2015年4月9・16日号