マンホールサミットで展示された「マンホール拓」
温故知新の蓋の祭典・マンホールサミット。そんなイベントが3月7日、東京・千代田区で開かれた。主催は公益社団法人・日本下水道協会内の組織で、下水道に関する広報・情報共有活動を担う「下水道広報プラットフォーム」。2年目を迎える今回は、下水道業界関係者のほか、マンホール愛好家など300人以上が集まった。
ちなみにマンホール愛好家のことをこの世界では「鉄蓋ファン」と呼ぶらしい。
展示・物販ゾーンに入ると、カラフルな実物のほか、ファンが作成した全国マンホール図鑑、魚拓ならぬ「マンホール拓」などが展示され、多くの人が熱心に見入っていた。
メインイベントは、鉄蓋ファンらによるリレートークだ。一番手は本特集でマンホール蓋の写真を提供してくれた池上和子さん。13年間で全国を巡って収集したコレクションを披露。
「マンホール蓋・腐食金属愛好家」という肩書きを持つ傭兵鉄子さんは、実在する都市を描いたアニメの背景画に注目。作中のマンホール蓋が実在するのか、実際に各地を訪れて検証した成果を発表した。
NPO法人・日本トイレ研究所代表理事の加藤篤氏は、災害時のマンホール活用について語った。蓋を外し、穴にちょうどはまる簡易トイレを装着して周囲を覆う簡易テントを張ることでマンホールを臨時トイレにできることを紹介。来場客は登壇したマンホール界の権威8人の発表に聞き入っていた。
マンホールサミットの企画運営を行なった藤原昇氏はこう語る。
「実は、今年はサミットを開くつもりではなかったのですが、多くの要望があり開催の運びとなりました。次回はもっと賑やかなイベントにしたいと思います」
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2015年4月17日号