近頃、ママ友の間で必需品となっているというのが「ママ名刺」だ。自己紹介や連絡先、さらに子供の名前で「○○ママ」などと書かれた名刺を交換することで、コミュニケーションを潤滑にしているというのだ。
しかし、『ママの世界はいつも戦争』(ベスト新書)などの著書があるノンフィクションライターの杉浦由美子さんは「ママ名刺はママ同士のトラブルの火種になることもある」と指摘する。
「連絡先など載せる情報量を変えて何種類も作るママがいます。そうして人によって使い分けることでグループ分けが発生したり、『私は住所まで知っている』、『私は電話番号しか教えてもらっていない。嫌われているのかな…』などとトラブルが生じるのです。また、家庭用プリンターの普及に伴い自宅でシンプルな名刺を作る人がいる一方、お金を払って業者に依頼して高級名刺を作る人もいます。
ママたちはライフスタイルが違う人に不寛容なところがあるので高級名刺を作って『派手好き』と揶揄されることもあれば、家で手作りした名刺を『チープね』と言われることもある。なにかしらの攻撃材料にされてしまう恐れがあるのです」
最近では名刺に写真を載せるママが少なくないが、載せる写真もトラブルの原因になるという。
「あるママは自分の子供の写真を載せるとき、『自慢だと思われて悪口を言われないように、ちょっとブサイクな変顔写真にしている』と言っていました。年賀状に載せる子供の写真にも敏感な人が増えているように写真選びに気を使う人も多いです」(杉浦さん)
今やママ友作りの必須アイテムにもなりつつあるママ名刺。うまく活用するにはどうしたらいいのだろうか。
「そもそも個人情報の塊なのであまりバラ撒かない、他人にもらった名刺の情報を第三者に安易に教えないなど取り扱いに気をつけましょう。人によって数種類を使い分けるのは人間関係のトラブルを招くのでNGです」(杉浦さん)
※女性セブン2015年4月30日号