国内

大前研一氏 マラソンの「日本人選手では1位」報道を疑問視

 株高や景気好転のニュースが報じられる一方、多くのサラリーマンの暮らしは、いっこうに楽になっていない。賃上げも、円安で好調な輸出関連企業や大企業などに留まり、経済全体はますますシュリンク(縮小)していくように見える。今、日本人は何を求められているのだろうか? 『低欲望社会──「大志なき時代」の新・国富論』(小学館)を上梓した大前研一氏はこう語る。

 * * *
 今や日本の大学では、日本人の学生よりも中国人留学生のほうが成績優秀というケースが増えている。それに対して日本人の学生は発奮することもなく、呑気で怠惰なキャンパスライフを謳歌している。大志がないので、はなから競争を回避しているわけだ。

 マラソンでも、最近はよく全体では3位や4位なのに「日本人選手トップ」と1位の外国人選手よりも大きく扱われる。2位とか3位の外国人選手についてはほとんど報じられず、名前すら小さい記録欄を見ないとわからないことが多い。そういう内向きかつ目線の低い評価基準や報道姿勢はおかしいと思う。

 私自身、学生時代は早稲田大学と東京工業大学修士課程では誰にも負けないと思っていたが、MIT(マサチューセッツ工科大学)の博士課程に留学したら、アメリカ人もヨーロッパ出身者たちも非常に優秀で驚いた。

 それでも彼らに負けじと必死に勉強し、その結果、130人のクラスで一番早く2年9か月で博士号を取得することができた。どんな分野でもグローバル競争が当たり前になった今はなおさら、「日本人1位」に安穏としていてはいけない。

※週刊ポスト2015年5月22日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン