国際情報

イルカ漁反対 政治家に票が集まり環境保護団体に資金集まる

 世界動物園水族館協会(WAZA)が、「(和歌山県)太地町で捕獲されたイルカの入手をやめよ」との要求を日本動物園水族館協会(JAZA)に出したり、環境保護団体・シー・シェパードが太地町で抗議活動を行なうなど、日本のイルカ漁が国際的に批判されている。

 ならば、イルカ漁反対派は太地町のイルカが世界各地に輸出されている事実をどう説明するのか。本誌前々号(5月29日号)で既報の通り、太地町で捕獲されたイルカは世界中の水族館などに向けて年間で50~70頭ほど輸出されている。
 
 矛盾はまだある。イルカ漁はフェロー諸島(デンマーク)でも日本と同じ方法で行なわれていることを忘れてはならない。こちらにも環境保護団体による反捕鯨活動が行なわれてはいるが、日本ほどの激しさはない。同諸島はデンマークに属しつつも自治権を持った地域であるため、民族問題や少数者差別につながりやすい。大国である日本叩きをするほうが支持されやすいと考えているのである。
 
「イルカやクジラは環境保護のシンボル。イルカ漁に反対すれば、政治家は票が集まり、環境保護団体は資金が集まりやすいという側面がある」(ジャーナリスト・吉岡逸夫氏)

※週刊ポスト2015年6月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン