──ビデオで“部分”だけを見ると“全体”がわからなくなる?
「日本の柔道は、相手の背中をゴロリンと畳につければそれでいいなんてことは目指してない。切れ味良くバシッと投げろと指導しています。それが日本の柔道ですから。ビデオのコマ送りに依存しすぎるのはだめなんですよ」
──国際化と引き替えに、レベルが低い地域の経験の少ない審判も国際試合を裁くようになる。それが柔道で誤審が起こる構造的な原因だと指摘する声もあります。篠原さんの試合では、ニュージーランドの審判が主審でした。
「そういう意味では審判のレベルに多少のバラツキがあることは否定できません。でも、そういうことも配慮して、いろんな国の審判を3人組み合わせているわけですから……」
撮影■村上庄吾
※週刊ポスト2015年6月19日号