一体このブームは何なのか。画像や動画を投稿している人のコメントを見ると「乳がんがなくなりますように」や「マンモグラフィーを受けましょう」といった言葉がある。乳がん撲滅に向けた啓発運動にも見える。

 日本コカ・コーラに問い合わせると、「弊社の企画ではないため、コメントは差し控えさせていただきます」とのこと。米国コカ・コーラ社も、「私たちは何も関与していません」という。

 フェイスブックをたどっていくと、その創設者はアメリカ人モデルのジェマ・ジャクスさんであることが判明した。ジェマさんは、

「コーラが好きだからよ。友達が冗談で『コーラ好きなら、おっぱいで挟んでみてよ』といってきたから、ふざけてやってみたの。それを自分のフェイスブックにアップしたら、瞬く間に広がった。最初は乳がん啓発の意図はなかったの」

 と語っており、当初は“おふざけ”だったようだが、それを真似た動画が数多くアップされると、投稿者から乳がん啓発運動にしようという声が出てきた。ジェマさんはそれに同意し、自身も乳がん啓発を訴えるようになった。

 ジェマさんはこうした動きについて、

「私たちはみなさんに、それぞれ希望するところに寄付してほしいと呼びかけているの。私たちが直接お金を扱うことはないから、どのくらい寄付があったかはわからないし、誰かに強要するものでもないわ」

 と語っている。

 この活動による寄付効果はどれほどのものなのか。日本の乳がん検診の啓発運動を行なっているNPO法人J.POSHに尋ねてみたが「寄付が増えている事実はまだ確認できていない」との回答だった。

※週刊ポスト2015年6月26日号

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