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逆流性食道炎に新薬登場 重症例にも投与早々から効果が期待

 一方、今年2月に登場したボノプラザン(商品名:タケキャブ)は、従来とは異なる作用機序でプロトンポンプを抑制する新しいPPIである。胃酸に安定で、胃酸による活性化を必要とせず、早く効果が出る。薬の代謝も遺伝子に左右されないなどの特徴がある。このため、4週間の服用で94%、8週間では、実に96.4%という良好な治癒率となっている。

「強力に胃酸の分泌を抑制するので、既存のPPIでは効果が得られにくい重症の逆流性食道炎の患者さんにも効果が期待できます。さらに、ピロリ菌除去にも有効で、2種類の抗生物質と合わせた場合、1週間の服用で92.6%の非常に高い除菌率となっています」(秋山診療科長)

 ボノプラザンの胃酸分泌抑制効果が強力であるため、懸念もある。胃酸で死滅するはずの細菌などが死なず、肺炎や腸内感染症のリスクが高まるのではないか。また、長期服用では鉄の吸収低下による貧血や、カルシウム吸収低下による骨粗鬆症などの心配がないかなど、今後の検証が必要である。

 服用方法は1日1回20ミリグラムで、長期服用は、1日1回10ミリグラムに減らし、服用する。なお、PPIを服用しても症状が緩和されない場合は、胃酸以外の要因が潜んでいる可能性がある。24時間pHモニタリングを行ない、その要因を究明することも必要だ。

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2015年7月3日号

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