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コシヒカリ生んだ福井県民 「新潟で生まれた」の誤解に怒り

 5月、「スターバックスコーヒー シャミネ鳥取店」がオープン。全国で唯一「スタバ」がなかった鳥取では「スタバはないけどスナバはあります」と平井伸治県知事が「自虐PR」したが、それも解消された。でも、実はどの県にだって恥ずかしい自虐ネタはあるんです。

【新潟県】〈県民すら見たことのない「朱鷺」に頼りすぎ〉

 新潟では、佐渡島で繁殖研究を続ける特別天然記念物の「朱鷺」(トキ)を、イベントや施設の名称にやたらと組み込む。「朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター」「トキめき新潟国体」、「えちごトキめき鉄道」……。上越新幹線の車両も「Max とき」だ。しかし新潟県民でも朱鷺をバッチリ見たことがある人はそう多くない。

「他県の人が思うほど佐渡島に行くわけではないので……。正直、行政や企業の“朱鷺推し”がピンとこない。他に名物がないみたいで恥ずかしい」(30代・OL)

【富山県】〈遊ぶ場所がないから図書館で勉強する〉

 人口に対する図書館の数が全国3位(2013年文科省「社会教育調査」)など、教育県として知られる富山だが、県民からはこんな嘆き声が漏れる。

「遊ぶところがどこにもないから図書館やスーパーで暇を潰しているだけ」(県内の男子高校生)

 実際、カラオケボックス数は24軒で全国ワースト2位、映画館数2軒(2009年時点)も島根と並ぶワーストタイだ。数少ない映画館の名前にはどこか哀愁が。

「富山市内にあるシネマ・コンプレックス『富山シアター大都会』は、田園地帯に建っている」(20代・女性)

【石川県】〈ソフトクリームにまで! 金箔乗せなきゃ気がすまない、は薄っぺらですか?〉

 金沢市を歩いていると、目に付くのが金箔の販売店だ。金箔生産量の99%を石川県が占めるだけあって、地元の「金箔好き」は異様なほど。金箔張りのトイレに、金箔入り清酒、金箔入り海鮮丼……。金箔入りソフトクリームまで売っている。金箔入りのメニューを多く出す飲食店関係者がいう。

「見栄っ張りな金沢の人間は“金箔を入れなきゃおもてなしにならん”とエスカレートしてしまう。悪趣味? いえいえ、お客さんも喜んでいらっしゃいます」

 何事もほどほどが肝心だ。

【福井県】〈コシヒカリは福井のコメ。でも誰も知らない〉

 全国で最も多く栽培されている高級品種・コシヒカリ。「コシヒカリが、新潟で生まれた品種と誤解している人が多い」と憤るのは県内で農業を営む60代の男性だ。

「コシは越後の越ではなくて、越前の越。越(こし)の国で光り輝くという願いから命名された」(同前)

 誕生したのは1956年、福井県農業試験場だった。しかし、収穫期の気温の問題や台風の影響など問題があり、新潟県が先に推奨品種として登録。そのため新潟イメージが根付いてしまった。

※週刊ポスト2015年7月17・24日号

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