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中国の葬式でストリップ取り締り強化 弔問客が来ない懸念も

 中国の農村部では、葬儀でストリップショーを行うことが恒常化しており、中国文化省は「農村における文化市場の経営秩序を乱し、社会の気風を傷つけた」などとして、ショーを禁止する声明を発表。警察と連携して摘発に乗り出している。

 これに対して、農民の間からは「ストリッパーを呼ばないと、弔問客がだれも来なくなる」と反発している。中国各紙が伝えた。

 今年2月に河北省邯鄲市の村で行われた葬式で、子供も含めた葬儀の参列者たちが見つめるなか、「赤いバラ歌舞団」の女性メンバーによるストリップを披露。江蘇省宿遷市で同月行われた葬式でも、ストリップショーが行われた。

 いずれも地元警察が公共秩序を乱したとして、集団の責任者らを摘発、拘留処分となった。

 中国では葬儀の参列者が多いほど、死者への弔いや尊敬の気持ちが表すことが出来、死者も死後の社会で幸福になれると考えられている。このため、葬儀主催者は1人でも多くの参列者を集めるために、余興としてストリップショーを開くことが日常化しているという。

 最近ではネットの普及とともに過激なストリップショー映像が次々出回り、当局も取り締まりに本腰を入れざるを得なくなった。

 このため、文化省は葬儀の行き過ぎた娯楽化は「社会のモラルを乱す」として摘発強化に乗り出したというわけだ。

 しかし、米CNNによると、農村部ではストリップショーが行われるのは常識化しており、村人たちは、葬儀でストリップショーが開かれることをおかしいと思ったりはせず、慣れているため「禁止されたら、他に何を見ればいいんだ」と文句を言う人もいたという。

 ネット上では、「中国の農村部はいまだに封建的で、無知な人が多い証拠。とはいえ、農村部には娯楽が少なく、冠婚葬祭くらいしか楽しみがなく、どうしてもセレモニーが派手で、えげつなくなってしまう傾向が強い」との書き込みもみられている。

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