ライフ

昭和の「お色気歌謡」が再人気 活力や希望取り戻す応援歌に

 エロ、アダルトが溢れた現代に欠けているものはなにか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏は「それは昭和のお色気だ」と喝破する。昭和のお色気歌謡の代表作がいまリバイバル人気だという。

 * * *
 今の日本に足りないものは何か。今の日本が必要としているものは何か。それは「お色気」です。世の中にもっとたくさんの「お色気」があふれたら、日本は、とくにオジサン世代は、活力や明日への希望を取り戻してたちまち元気になることでしょう。

 たしかに、街には露出度の高い服を着た女性がたくさん歩いているし、出版物にもネットにも、過激なコンテンツがあふれています。しかし、それらは「お色気」ではありません。どこか攻撃的なセックスアピールや、単に劣情を刺激するエロではなく、「お色気」は男性のスケベ心を大らかに包み込みつつやさしくくすぐってくれます。

「お色気」をきちんと評価する機運の高まりも、徐々に感じられるようになりました。公開中の映画「海街diary」では、撮影を始めるにあたって是枝裕和監督は、4姉妹の次女を演じる長澤まさみに「お色気担当でお願いします」と話していたとか。長澤はその期待に見事に応え、「お色気」のパワーと重要性を示しつつ映画は大ヒットしています。

 そして「お色気」といえば、忘れてはならないのが、昭和の高度経済成長期に日本の男性たちを大いに元気づけた「お色気歌謡」の数々。奥村チヨ「恋の奴隷」、伊東ゆかり「小指の思い出」、夏木マリ「絹の靴下」、青江美奈「伊勢佐木町ブルース」、山本リンダ「どうにもとまらない」などなど、こうしてタイトルを見るだけで胸がときめきます。

 今もカラオケの定番で、いわば「お色気歌謡」の代表格とも言えるのが、畑中葉子が1980年にリリースした「後から前から」。ただ過激なだけではない完成度の高い歌詞とメロディーは若いアーティストたちにも人気で、ステージで歌われることも多いとか。

 7月20日の「海の日」には東京・お台場のイベントスペースで、畑中葉子がプロデュースした「後から前からTシャツ祭り」が開催されました。往年のおじさんファンから若い女性まで、たくさんの善男善女が集結。おそろいの「後から前からTシャツ」を着て、変わらぬ美しさと歌声で「後から前から」などを熱唱する畑中に、熱い声援を送りました。

 畑中は2010年に芸能活動を再開。それより前の2007年に(本人も知らないうちに)発売されていたベスト盤CD「GOLDEN☆BEST」(「後から前から」や「もっと動いて」など「お色気歌謡」の名曲をたっぷり収録)は、今もロングセラーで売れ続けています。昨年は4枚組CD「後から前からBOX」をリリースし、こちらも大好評でした。

 どうやら、時代は「お色気歌謡」を求めています。オジサン世代としては、その魅力を再認識し、一丸となって「お色気歌謡」を応援していくことで、広く「お色気」の素晴らしさを知らしめ、世の中も自分も元気にしてしまいましょう。

関連記事

トピックス

一門はどうなるのか(左から香川、團子、猿翁、猿之助、段四郎。2011年撮影/共同通信社)
「市川猿之助」の名跡はどうなる? 市川團子が引き継ぐのが既定路線、襲名までは市川團十郎が後見人か
週刊ポスト
天海祐希(写真左/時事通信フォト)と市川猿之助(写真右)
《番宣キャンセル》天海祐希、滲み出る怒り “猿之助騒動”で映画『緊急取調室』ギリギリの公開判断迫られ「せっかくの絆が…!」瀬戸際の18日間
NEWSポストセブン
市議会で議長をつとめていた父・正道氏と青木容疑者
【長野立てこもり】“議長の父の後援会長”だった第一通報者の告白「政憲は、俺の目の前でブスッて…『殺したいから殺しただけだ』って」「父親は事件を聞いて崩れ落ちた」
NEWSポストセブン
悪評が広がり続けている日本維新の会の梅村みずほ参議院議員(時事通信フォト)
「ハンスト発言」騒動の維新・梅村みずほ議員 3年前に有権者に送っていた謝罪メールの「おかしな日本語」
週刊ポスト
市川猿之助は罪に問われる可能性は?
市川猿之助は罪に問われるのか “心中で生き残ったケース”は情状酌量により起訴されない場合も
週刊ポスト
エンゼルス・ネビン監督は大谷翔平とどんな会話をするのか?(提供:LosAngelesAngels)
【独占レポート】エンゼルス・ネビン監督が明かす大谷翔平の凄み「彼がこなすルーティーンより厳しくできる選手はいない」
週刊ポスト
ラッパー・呂布カルマ
グラドル好きの最強ラッパー呂布カルマ、風吹ケイをプロデュース グラビア撮影直後に語り合った「ぎゅうぎゅうの迫力」
NEWSポストセブン
紀子さま(時事通信フォト)
上皇ご夫妻とあわやニアミス! 紀子さま「隠密行動」の京都路でなぜか「見られなかったもの」
NEWSポストセブン
どうなる山川穂高
【強制性交容疑】山川穂高、書類送検で対応に追われるテレビ局 オフの「WBC特番」源田壮亮が代役か
週刊ポスト
帰宅ラッシュの駅に悲鳴が(六代目山口組の司忍組長/時事通信フォト)
【喫茶店で発砲、血の海に】町田・六代目山口組系組員射殺事件、事件直後の凄惨映像が出回る
NEWSポストセブン
花田虎上の元妻・花田美恵子さん(本人のインスタグラムより)
【激変の今】若乃花の元妻「元花田美恵子さん」激ヤセ、身長も縮み「顔が違う」インスタに驚きの声
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
「週刊ポスト」本日発売! 野球まつり!大谷取材&江夏vs江川対談ほか
NEWSポストセブン