――買っていい服とダメな服とは?

地曳:買っていい服は、「自分をよく見せてくれて気分が上がる服」、「定番品のアップデート」、「優秀なボトム」です。買ってはいけない服は、「条件付きの服」。こういうトップスがあったら素敵に履けるとか、痩せたら、同窓会があったらなどと「たられば」で買わないことです。あとは「冒険した差し色」。結局、落ち着くいつもの色に戻りますから、差し色にトライしたいなら大物ではなく、面積の小さい小物に使いましょう。

――流行はどう取り入れたらいいでしょうか?

地曳:今は同時にたくさん流行るので、その中で得意なものを1つ取り入れたらいいですね。似合わなかったらスルーです。賢い流行の取り入れ方は、上下どちらかだけにすること。どちらかはベーシックな得意分野にする『ハーフハーフの法則』が失敗しないです。ただでさえ、今の服はデザインが少し面白いので着こなすのが難しいんです。いつもおしゃれにしていても、たった一度でもださい格好をしただけで、「ホントはださい人」という評価になってしまうので要注意です。

――買うか迷った時には、どう判断したらいいでしょうか?

地曳:まず、試着室から出られない服は避ける。迷ったら買わない。迷うってことは、自分でどこか変だと思ってる証拠ですから。いちばんのポイントは、着替えて帰りたい服か、履き替えて帰りたい靴かどうか。その場で着替えて帰れないなら、はっきり言ってやめた方がいいですよ。

――洋服は、何年くらい着たら手放すべきですか?

地曳:「何年」じゃなくて、「何回」です。コスパの考え方を変えましょう。10年かけて10回着る服なら今年10回着る方がいい。買うか迷った時には、何回着るかを考えます。3回しか着ないなら、2万円のこの服に6500円払えるかと考える。10回着たら2000円ですよ。私は56才ですけど、20年後、75才で似合う服と考えると悪夢でしょ? ここ2、3年で何回着るか。たまたまその後も長く着られたら、なおヨシです。

――確かに、大震災もあって「一生物」という考え方はなくなってきたように思います。

地曳:私もバカラのガラスが全部割れて、悔しかったから今はバカラも普段使いにしていますよ。服も一緒。高い物ほどすぐ使え、毎日使え。毎日使えばムダ買いにはなりません。湿度で劣化するし、一生物はありません。3.11からみんな意識が変わったと思います。ヒールも履かなくなりましたし。それなら、ルブタンも毎日履ける低寸ヒールを買えばいいんですよ。

 買っていいのは、ワンシーズン90日の間に今着る服だけ。人生、状況が変わっていきますし、経済や情勢も来年どうなるかわからない。気候が不安定で季節も先取りできない時代です。だから先のことは考えず、今着て楽しい服を着たほうがいい。買った服は週2、3回着る。靴も箱にしまわず毎日履く。服もお刺身と一緒です。新鮮なうちにいただいてください。

【地曳いく子(じびき・いくこ)】
1959年生まれ。スタイリスト。『MORE』『SPUR』『eclat』(集英社)、『Oggi』(小学館)、『FRaU』(講談社)などのファッション誌で30年超えのキャリアを持ち、数多くの女優のスタイリングも手がける。大人の女性の服選びの第一人者として、「着やせ」など実用的なテーマに定評がある。

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