芸能

西郷輝彦 司会は役者より効率がよいと語る関口宏と喧嘩した

 歌手から俳優へと活躍の場を広げた西郷輝彦は、多くの役者が演じてきた「遠山の金さん」を演じることになった。人気作となった遠山の金さんが主役の『江戸を斬る』で共演した俳優たちとの交流について西郷が語った言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏の週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 西郷輝彦は1975年、TBSの連続時代劇シリーズ『江戸を斬る』で主人公の遠山の金さん役を演じた。東映京都撮影所で撮られた同作は、第六シリーズまで続く人気作となる。

「お話をいただいた時、これまでいろんな人のやってこられた金さんを見たんです。そうしたら、中村梅之助さんをはじめ、みなさん立ち回りが上手い。みんな積み重ねがあるんです。このままでは負けると思い、撮影の初日から東映剣会に弟子入りさせてもらい、早朝四時から稽古をつけてもらいました。時代劇もチャンバラも大好きでしたから、ついに本物がやれて楽しくてしょうがなかったですね。

 京都での撮影って、最初はみんな嫌がるんです。昔は怖かったですから。たしかに映画が好きな人しかいない所なので、中途半端な気持ちで行くとこっちがやられてしまう。でも、一度入ると素晴らしいんですよ。

 京都では、何事も真面目にちゃんとやらないと駄目です。わらじも付き人にやらせず、自分で履くようにしました。わらじも、初めは慣れないと痛いんです。それが段々と結び方の加減が分かってきて、履けば履くほど馴染んでくる。京都の人たちも、それは一緒なんです。

 立ち回りは一回の撮影で百カットくらいありました。毎回六十人くらい斬った気がします。ただ、同時には斬りかかっては来ません。それに真剣を使うわけではないので、ある意味では踊りだと思います。やはり綺麗に美しくやった方がいいですし。ですから、剣道が上手いからといって立ち回りが上手いというわけではないんです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン