その反面、井元氏はそうしたユーザーの評論に、メーカーや販売店側も寛容になることが必要ではないか――と指摘する。
「そもそも若者のクルマ離れが叫ばれる中、まずは試乗してもらえなければ最初のコミュニケーションさえ始まりません。
レンタカーでのドライブ旅行やカーシェアリングなどが人気になっている今こそ、もっとメーカーはいろんなクルマを試乗車として開放し、場合によっては半日でも1日でも貸し出してユーザーとの接点を増やす施策を打つべきではないでしょうか」(井元氏)
日産自動車では昨年2月の新型スカイライン発売後に、ネット上で「価格が高い」「ハイブリッドは要らない」などネガティブなコメントを投稿したアンチユーザーを対象にした“乗らず嫌い試乗会”を開催。日産車に興味のないユーザーとの接点づくりも地道に行っている。
コモディティー化が進み、単なる移動手段にしか見られなくなりつつある自動車だが、ユーザーにどれだけ走る楽しみやワクワクする性能をアピールすることができるか。試乗機会の提供方法にも工夫が必要なのかもしれない。