いずれの調査でも「好きな日本料理メニュー」のトップは「寿司・刺身」。「和食」の代名詞とも言えるメニューの人気からも日本食の浸透度が伺える。もっとも人気のネタとなるとやはり海外ではサーモンが強く、多くの国でマグロを上回る支持率となっている。
また、各国における人気の傾向は、「寿司・刺身」に続く、2位以下の人気メニューに色濃くあらわれている。例えばイタリアでは天ぷらの人気が高く、単体での寿司に迫る支持率となっている。ジェトロでは「フリットを家庭で作るイタリア人にとってなじみやすい料理」と分析。日本産の天ぷら粉も売れ筋商品となっているという。「焼き鳥」はアジア圏以外での人気が高く、アメリカやドバイなどでも「好きな日本食」の上位に。とりわけ高度な肉食文化のあるフランスなどでは、寿司を上回る人気となっている。
単なる目新しさや「隣の芝生」によるブームを超え、定着し始めた日本の食。もっともその足元には、肉ブームのさなか高騰し続ける食肉の生産・供給体制の変革、水産資源の保護システム構築、自給率の低下対策など問題が山積している。「日本の食」が海外で受け入れられているならば、その先についても真剣に見据えなければならない時期がやってきている。