ビジネス

若者にもオーダーメイド服が浸透へ オリジナル志向にマッチ

縮小するスーツ市場で注目を集める「オーダーメイド」。若者にも浸透

 これまで高級、高価格というイメージの強かった「オーダーメイド」服が、今、若者を中心に新たな注目を集めている。男性ファッションでは、手ごろな価格でのスーツやワイシャツなどのオーダーメイドが広がり、ネット上で注文を受け付ける店舗やサイトが続々登場。女性ファッションでも、『フランス人は服を10着しか持たない』のベストセラーに見られるように“良いもの、好きなものを、少しだけ”という価値観が、オーダーメイド人気を後押ししているようだ。

「男性ファッションのオーダーメイド市場といえば、圧倒的に50代以上向けのビジネスでした。それがここ数年は、20代男子の参入が際立っています」

 こう語るのは、アパレル業界に詳しい船井総合研究所の上席コンサルタント・岩崎剛幸氏だ。氏によると、その理由の一つが、細身ファッションの流行にある。スーツやワイシャツは、よりフィット感が求められるようになり、そのためには既製品よりもオーダーメイドのほうがより体にぴったりくるというわけだ。もう一つが若い世代を中心とするオリジナル志向の強まり。「最近の若い人たちは、ブランドよりも、自分がよりよく見える服を求める傾向にあります」と岩崎氏は言う。

 最近オーダーメイドに目覚めたという20代男性はこう語る。

「時計をするので、左のカフは10ミリ大きくするようになりました。イニシャルの入れ方にもこだわっています。赤やオレンジなどで目立つように入れることもあれば、白地にシルバーで、さりげなくとか。そういった細部への飽くなき追求が、結局は全体の印象を左右するんですね。そして何より、オリジナル感が増して自分自身の欲望が満たされるんです」

 若者への浸透を促している三つ目の理由が、安価とはいかないまでも、低価格化が進んでいることだ。

 かつてはオーダーメイドといえば、ブランド生地の使用と一流職人による手作りが主流だった。だが最近では、従来の工程を簡易化した“イージーオーダー”“パターンオーダー”や、ブランドよりも“着心地”重視のオーダーメイドが広がるなど、多様化が進んでいる。それによって、価格の多様化も進んだ。

 例えば鎌倉シャツの愛称で親しまれるシャツの専門店・メーカーズシャツ鎌倉の、オンラインショップのパターンオーダーシャツは12000円から。パーソナルオーダースーツ・シャツの専門店・麻布テーラーでは、37000円からオーダースーツを作ることができる(いずれも税別)。

 Web上で簡単に注文できるサービスが増えているのも、手間を省きたい若者の心を掴んでいるようだ。4980円でオーダーメイドのワイシャツが作れるサービス「チョイス(CHOiCE)」を利用しているという20代男性はこう語る。

「スマホ版サイトもあるから、電車に乗っている空き時間なんかに注文できるんですよ。その日の気分で、生地やサイズ、ボタンなどを選ぶのが楽しいです。もちろん価格も魅力です」

 オフィスや自宅など、希望の場所まで無料で出向き、出張採寸を行うサービスも登場している。

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン