《「心象風景」ならぬ「心象生物」という言葉がもしあったなら、不完全で、貧弱で、醜悪で、万人から忌み嫌われるナメクジは、間違いなく僕の「心象生物」だった──『絶歌』》
こんな手記の引用文とともに、数十匹というナメクジが小皿の上でうごめく写真が大量に掲載されている。
この他に、ムカデやサソリ、ゴキブリをモチーフにしたと見られるイラストや、事件現場となった入角ノ池のほとりにそびえ立ち、Aが「アエダヴァーム」と名付けた大樹のイラストもあった。
そしてAは衝撃の写真を公開する。自身と見られる全裸写真だ。
「セルフポートレート」と称し、顔は黒の覆面で覆っているものの、それ以外は一糸もまとっていない全裸姿の写真を6枚掲載している。写真に写る男は小柄ながら筋肉質な体形で、腹筋は割れ、腕や胸も太い。その風貌は、少年院時代にひたすら筋トレに励んでいたことを『絶歌』で明かしているAと重なる。
しかし、自らの“表現”は羅列されている一方で、ホームページのどこを読んでも、遺族への謝罪の言葉は一言もない。
Aの真意はどこにあるのか。女性セブンは見城氏を訪ねたが、
「Aに関する取材は一切お断りしている。手紙の真偽についてもお答えできない」
と言うばかりだった。しかし、見城氏にこれらの画像と手紙を見せ、ホームページも手紙もA本人の手による可能性が極めて高いことを告げると、大きく首を振り、「なんで彼はこんなことを…」と言葉を失った。
手紙から伝わるのはAの贖罪意識の欠落と、病的なまでの自己承認欲求。そして、いまなお心の奥底に沈殿するおぞましい狂気。Aは18年前から何も変わっていないのではないか──。
※女性セブン2015年9月25日号