国内

監視カメラの落とし穴 隣家の風呂場や部屋内が映りこむ例も

 大阪・寝屋川市の中学生男女殺害事件で、その威力が見直されたのが監視カメラだろう。設置されている台数は、今や全国に330万台以上といわれる。

 早稲田大学社会科学部教授の西原博史さんは「増えただけでなく、性能も高くなった」と話す。カラーで撮影ができて、画面内で動きを検知するなどの機能がついたもので3万~4万円。360度全方位がカバーできる、暗闇でも鮮明な映像を録画できるなどさらに高機能なものは10万~30万円と、幅広いラインナップがある。

「高度なものでは顔面認証ができます。写っている顔を自動判別して写真データベースと照合、どこの誰であるかを即座に画面に表示することも技術的に可能です。町中にたくさん設置してあるようなカメラでも、知っている人であれば誰だか判別できるくらいに精度が上がっています。台数もどんどん増え、東京都では通学路への設置に向けて、各町内会に働きかけています」

 台数が多ければ、今回のように犯人逮捕に役立つのはいうまでもない。また、撮られているのがわかるように取り付けられていれば、犯行を思いとどまらせるという犯罪抑止効果もある。しかし、その一方で問題もある。

「個人のプライバシーをどう守れるかが大事になってきます。たとえば自宅の敷地内に防犯目的でカメラを設置したら、たまたま隣のお風呂場や部屋の中が映りこんでしまったというようなケースです。隣人はカメラを外してほしいけれど、自宅の敷地にカメラをつけちゃいけないという決まりがないので問題解決が難しい。

 一方で、撮影された情報を管理する責任は設置者にあるので、情報が抜かれたり悪用された場合は、設置者が責任を負うことになります。ルールがあいまいゆえ、今後いろんな問題が発生する可能性があります」(西原さん)

 メリットもあればデメリットも多い監視カメラ。今後の動きに注目だ。

※女性セブン2015年9月24日号

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