住居系はオフィス系の価格が上昇してくると、遅れて連動して上がってくる傾向がある。「オフィス系の価格が上がったから、住居系も上がるだろう」という単純なイメージで買われ出し、需給だけで上昇する側面があるのだ。
したがって、オフィス系の価格上昇が明確になってきたら、そのタイミングで住居系を買っていくのも有望だろう。先ほど述べた話で説明すると、オフィス系の価格が購入時よりも10%上がった段階で売り抜けたら、次に住居系を狙うというシナリオを描ける。
投資の方法としては、個別銘柄はもちろん、東証REIT指数との連動を目指すETF(上場投資信託)を買うのもいいだろう。Jリート市場はオフィス系の時価総額が大きく、オフィス系の価格が上昇した時に東証REIT指数も上がりやすい。ETFは現在の水準では1万円台後半(東証REIT指数×10倍)から購入できるため、調整した時などにコツコツと少しずつ買い入れておくと、価格変動リスクを抑える効果も受けやすい。
アメリカが利上げに踏み切った場合、早ければ年内にも日銀が金融緩和第3弾を実施する可能性もある。いずれ「黒田バズーカ第3弾」は放たれると私は考えている。もちろん、その時は、Jリート相場は大きく上昇する。金融緩和第3弾を見据えて、今から仕込んでおくのもよいだろう。
今秋以降の1年間は、Jリートに投資する人には楽しみの多い相場展開になるのではないだろうか。
※マネーポスト2015年秋号