松村厚久社長。撮影ではおどけてポーズをとってみせる場面も
――モチベーションを上げさせる天才との声があります。社員を育てる上で大切にしていることとは?
松村:裁量制を持たせるということと、やりたいことをやらせてあげることです。ダメなことはダメだとしっかり言わなくてはいけないですが、極力やらせてあげる。そうして力をつけさせていけば、結果的に会社の大きな力になりますから。ほかに僕のモットーは、女子社員は絶対に怒らない。なぜかというと、嫌われるのが嫌だからです。でもそれによって、女性たちが大いに“女子力”を発揮してくれていると思います。
――競合する同業他社の経営者たちとも親しく交流し、惜しまず良い情報を提供したり力になる姿勢に驚きました。
松村:全然問題ないですよ。真似されてつぶれるようだったら、始めからやらないほうがいいんですよ。TTP(ティーティーピー)、“徹底的にパクる”というモラルのない会社もありますけどね。
――仕事においても、エンタメ性を大事にされているのはなぜでしょうか?
松村:人を楽しませたいからです。面白くないと楽しくないじゃないですか。仲間の誕生日会を頻繁にやって集まっているのも、絆を深めるためです。友達のパーティーなど行くと、必ずカラオケを歌いながら登場したり、先日のパーティーでは久しぶりにローラースケートを履きました。それまでたくさん練習して。パロディをやって面白くふざけるのも、みんながそれを求めるのでやっていましたが、年を追うごとに好きになってきました(笑い)。
――遊びも仕事の原動力になっている、ということでしょうか?
松村:なっていますね。僕は「仕事の中に遊びがあって、遊びの中に仕事がある」といつも言うんだけど、線引きを一切しない。遊びの中に仕事の要素がいっぱいあるんですよ。案外、仕事っていうのは遊びの中で決まる。遊んでいる時に仕事を思いつくこともありますし、「こんにちは、はじめまして」で仕事を頼まれるのではなくて、遊びの中で人から仕事を頼まれたりする。だから社員にも、「クリエイティブは目から」と言って、映画を観たり本を読む時間を大事にしなさいとはよく言っていますね。