芸能

《キャスター、恋は闇…》看板枠でテレビ局を舞台にしたドラマが急増 顕著な「自己批判や自虐」の姿勢 

日曜劇場『キャスター』(TBS系)で主演を務める俳優の阿部寛

日曜劇場『キャスター』(TBS系)で主演を務める俳優の阿部寛

 この春のクール、さまざまなジャンルのドラマが放送されているが、その中でテレビ局を舞台にしたドラマが増えている。しかも、どの局も看板枠で放送しているのが特徴だ。その背景についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 

 * * *
 4月が終わって今春のドラマがそろった中、ネット上で「また?」という声があがっているのはテレビ局が舞台のドラマ。 

『キャスター』(TBS系、日曜21時)は、型破りなキャスター・進藤壮一(阿部寛)が闇に葬られた真実を追究し、悪を裁いていく社会派エンターテインメント。舞台は視聴率低迷にあえぐ報道番組「ニュースゲート」で、メインキャスターの進藤を筆頭に、総合演出・崎久保華(永野芽郁)、AD・本橋悠介(道枝駿佑)、プロデューサー・山井和之(音尾琢真)、報道局長・海馬浩司(岡部たかし)、編集長・市之瀬咲子(宮澤エマ)ら計13人の関連人物が登場します。 

 次に『恋は闇』(日本テレビ系、水曜22時)は、情報番組のディレクター・筒井万琴(岸井ゆきの)と週刊誌のフリーライター・設楽浩暉(志尊淳)の恋と連続殺人事件をめぐるラブサスペンス。メインの舞台は万琴が担当する情報番組「モーニングフラッシュ」であり、総合演出・野田昇太郎(田中哲司)、プロデューサー・蔵前沙樹(西田尚美)、新人ディレクター・木下晴道(小林虎之介)、MC・児嶋一哉(児嶋一哉)ら多くの人物が登場します。 

 さらに『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系、月曜21時)は、吉野千明(小泉今日子)と長倉和平(中井貴一)のスローな恋模様を描いた11年ぶりのシリーズ第3弾。千明はテレビ局のドラマゼネラルプロデューサーであり、前2作でおなじみのスタッフや制作現場のシーンがたびたび登場します。 

『キャスター』はTBSの看板ドラマ枠“日曜劇場”であり、『恋は闇』は日本テレビの看板ドラマ枠として昨春まで33年にわたって放送された“水曜ドラマ”の復活第1弾。『続・続・最後から二番目の恋』はフジテレビの看板ドラマ枠“月9”。いずれも局にとって重要な作品の舞台にテレビ局を選んだ様子がうかがえます。 

流行語大賞『ふてほど』もテレビ局 

 テレビ局を扱ったドラマと言えば、前期の『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)も主人公の大森一平(香取慎吾)は不祥事で退社したテレビ局の報道マンで、関連シーンが何度かありました。また、『晩餐ブルース』(テレビ東京系)もテレビ局のドラマディレクター・田窪優太(井之脇海)が主人公の物語でした。 

 昨年を見ても、「新語・流行語大賞」の年間大賞を受賞した『不適切にもほどがある!』(TBS系)もヒロイン・犬島渚(仲里依紗)がバラエティ担当のアシスタントプロデューサーだったほか、情報番組のプロデューサー、MC、イケメン気象予報士、フロアディレクター、ドラマプロデューサー、インティマシーコーディネーター、社内カウンセラー、考査部、SDGs推進課などさまざまな立場の関係者が登場しました。 

 また、単発ドラマでも芳根京子さんと江口のりこさんが報道記者を演じた『テレビ報道記者~ニュースをつないだ女たち~』(日本テレビ系)、深夜のテレビ局で起きる出来事を描いた『生ドラ!東京は24時』(フジテレビ系)などもありました。 

 その他、主人公の倉内桔梗(中谷美紀)が報道番組「日曜NEWS11」のキャスターだった『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジテレビ系)。バラエティ担当ながらドラマ制作に挑む吉澤未來(伊藤万理華)が主人公の『パーセント』(NHK総合)。主人公・近藤麻美(安藤サクラ)が3周目の人生で日本テレビのドラマ制作スタッフになった『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)。テレビ局の女性アナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)が冤罪事件を追う『エルピス-希望、あるいは災い-』(カンテレ・フジテレビ系)なども記憶に新しいところでしょう。 

 なぜテレビ局を扱ったドラマは、近年続いていた上に、ここにきてますます増えているのでしょうか。 

関連記事

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン