そのまま彼も卒業すればよかったのだが、むしろ彼はそれを機にお気に入りの子を次々に変えていき、そのうち「紳士的」に振る舞うことすら放棄してしまう。そしてこう記すのだ。
〈アンアン(別のキャバクラ)のVIP席でミントのお尻を撫で回し、ハイスクール・ミーナでは新たなお気に入りの「望」と同伴して、そのお尻を撫で回す。という生活が始まった〉
一杯4200円のテキーラや、10万円のシャンパンタワーをガバガバ注文する〈バカな客〉になった渡部容疑者。ところが、どれだけ浪費しても女の子たちは一向にやらせてくれない。仕舞いには宿泊の約束を取り付けた梨花という女性に着信拒否されたことを機に、キャバクラ通いを止めるのだった。
その後、横領が発覚して警察に逮捕された彼は10月に初公判を控え、月島警察署に勾留されている。記者は彼に接見した。
「トータルの横領額は1億円を超えていると思います。一生かかって返済しないといけない。妻と高校2年、中学3年の娘には、見放されても仕方ないと思いましたが、許してもらったので、家族一丸となって返済へ向けて頑張ります」
こういう彼だが、本音を聞くとこんな気持ちも。
「正直まとまったお金があれば、すぐにでもキャバクラに行きたい。薬やアルコールと一緒で依存症なんです……」
金のためにも早く自叙伝を出版したいという渡部容疑者だが、立ち直ることを祈りたい。
※週刊ポスト2015年10月9日号