国際情報

外国人の奥様「子供見ながら乗れる」と日本のママチャリ絶賛

ロンドンにはママチャリ専門店も

 多彩な外国人とともに「日本のクール(カッコいい、優れている物事)」について考える、NHK BSの人気番組『cool japan』。司会を務める作家で演出家の鴻上尚史氏が、番組開始当初に紹介した「クール・ジャパン」について解説する。

 * * *
 番組開始当初、外国人たちが考える「日本のクール」を聞いたとき、「この番組は成功する」と直感しました。それはマンガでもアニメでもなく、次の3つだったからです。

 まずはママチャリ。日本人からすればありふれた日用品の一つですが、特に外国人の奥様がこれに感動。子供用の椅子が前にあるので、子供を見ながら運転できて安心だ、と言うのです(外国のは後ろにしか付いていないそうです)。さらに日本のママチャリは前輪が少し小さく設計されており、取り回しやすいのもミソです。

 次は洗浄器付き便座。「お尻を洗う=ホモ」とのイメージで西洋では普及していませんが、日本で初めて利用した外国人は快適さに驚く。最近は中国人の爆買いが有名です。

 僕が最も衝撃を受けたのはアイスコーヒーでした。そもそもそれが日本発だとは知らなかった。多くの外国人にとってコーヒーは「香りを楽しむもの」だから、冷やすのは論外。でも、日本ではアイス用の豆を挽いて濃い目に作るなど、美味しいアイスコーヒーにこだわり、やがて世界的に知られ始めた。日本に来た外国人たちは「これは本当にウマい」と思うそうです。

 外国人から指摘されると、この3つに込められた日本的な心遣いに改めて気づかされます。それは「痒い所に手が届き、痒くない所も掻いているうちに後から痒かったんだと感じ始める(笑)」ようなもの。外国人から見た日本は、意外なクールに溢れています。

 ニューヨーク・ロケでは、米国人の若い女性が「チリチリの天然パーマがコンプレックスだったけど、日本式のストレート・パーマが完全に私の人生を変えてくれた」と幸福そうな笑顔を見せました。日本発の製品・技術・文化などにより、遠い異国に住む女性の人生が笑顔で前向きになる。これぞ、クール・ジャパンの真骨頂です。

※SAPIO2015年11月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト