現在の冷凍チャーハンが美味い理由は何なのか。「本格炒め炒飯」を製造・販売するニチレイフーズの広報担当者は胸を張ってこういう。
「プロの料理人の作る工程と同じように調理しています。250℃という一般家庭では実現不可能な高温で調理し、さらに炒める工程を3段階に分けて丁寧に作っています。素材にもこだわっていて、米は北海道の一等米を使用し、味付けは自社の同じ工場で作っているチャーシューの煮汁を調味料として加えています」
冷凍チャーハンはかつては製造工程で実際に米を炒めておらず、味付けだけをチャーハンに似せた、いわば「チャーハン風ごはん」だったという。しかし2001年にニチレイから「本格炒め炒飯」が発売され、それまでにはなかった「炒める」という工程を組み込んだことで、味が格段に向上したのだ。
味は本格的だが調理は解凍するだけ、と手間がかからない。フライパンや油も必要なく、皿に盛りつけてレンジでチンすればいいだけだ(1/2袋なら5分ほど)。
しかも嬉しいのは、最近はラップをかける必要のない商品も多いことだ。これまではラップをかけるのが意外と手間だったうえ、蒸気の関係で皿が非常に熱くなり取り出しにくかったが、こうした小さなイライラからも解放された。味だけではなく、手軽さもヒットの要因となっている。
※週刊ポスト2015年11月6日号